- HOME
- コラム
- 欧州インサイドReport
- 「反原発」が、「化石燃料への依存」正当化の隠れ蓑に…
「反原発」が、「化石燃料への依存」正当化の隠れ蓑に...気候変動への取り組みで下位に沈む日本

デンマークはヒートポンプの普及、モロッコは大規模太陽光発電の支援、英国は気候変動法と化石燃料新規免許停止、ブラジルは多国間交渉の積極姿勢で高く評価されたのに対し、日本は「非常に低い」評価に分類された。
日本は温室効果ガス排出量、エネルギー使用量、再生可能エネルギーで「低い」、気候政策は「非常に低い」と評価された。第3次NDC(国別削減目標)を提出し13年比で60%の排出削減を掲げるが、 パリ協定の1.5度目標と整合しないと評価された。
化石燃料の段階的廃止計画も公正な移行ロードマップもない
CCPIの国別専門家は「日本のNDCは日本経済団体連合会(経団連)案とほぼ同じ。市民団体や影響を受ける当事者の参加が欠如している」と指摘。26年に政府のGX(グリーントランスフォーメーション)戦略の下、初めて義務的排出量取引制度(ETS)を導入する予定だ。
しかし専門家は「炭素価格が国際エネルギー機関(IEA)推奨値より極めて低くなる見込みだ。ETS設計に複数の欠陥がある可能性があり、実効性は26年以降の運用次第」と疑問を投げかける。化石燃料の段階的廃止計画も公正な移行ロードマップもない。
「原子力に依存したくない」という反原発を隠れ蓑に日本は化石燃料依存を正当化している。政府の25年度気候・エネルギー予算で化石燃料関連支出が24年から増加し、全体の38%を占めた。25年から住宅の断熱基準が適用されるが、専門家は基準値が低すぎると批判する。






