コラム

「今世紀に寿命は150歳に」習近平発言...中国の生命科学を示唆? 独裁者の「思い込み」が招くものとは

2025年09月04日(木)17時24分
人類の寿命は150歳になると発言した習近平国家主席

抗日戦争・世界反ファシズム戦争勝利80周年の軍事パレードで演説を行う習近平国家主席 KCNA via REUTERS

<マイクに音声が拾われていた雑談のなかで、プーチン大統領は習近平国家主席に対して「人の臓器は継続的に移植でき、若返りや不死も可能になる」と発言>

[ロンドン発]9月3日、北京・天安門広場で抗日戦争・世界反ファシズム戦争勝利80周年の軍事パレードが行われ、中国の習近平国家主席、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記が顔をそろえた。

天安門の楼上で72歳の習氏は同じ72歳のプーチンに「かつて70歳に達することは滅多になかったが、今では70歳でも、なお子どもだと言われる」と語りかけた。習氏は権力の座に就いて13年足らず。プーチンは25年も権力をほしいままにしている。金正恩はまだまだ若造だ。

プーチンが「生命科学の発展により人の臓器は継続的に移植でき、若返り、さらには不死も可能になる」と語ると、習氏も「今世紀には150歳まで生きられる可能性がある」と応じた。平均寿命は香港が最長で85.77歳。中国は78.37歳、ロシアは73.52歳と短い。

人類史上最も長生きをした女性は122歳164日

プーチンはその後、ロシア国営タス通信に「医療・外科的手法の進歩は平均寿命が大幅に伸びる希望を与える」と、発言の趣旨を説明した。中国中央電視台(CCTV)のマイクがプーチンと習氏の会話を拾い、意図せずオンエアされたとみられる。2人には健康不安説がつきまとう。

プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

訂正-アングル:総強気の日本株、個人もトレンドフォ

ビジネス

アングル:グローバル企業、中国事業の先行き悲観 国

ビジネス

日銀、25年度GDPを小幅上方修正の可能性 関税影

ビジネス

英政府、年金基金20団体と連携 26億ポンドを国内
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 5
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 6
    ニッポン停滞の証か...トヨタの賭ける「未来」が関心…
  • 7
    ギザギザした「不思議な形の耳」をした男性...「みん…
  • 8
    【インタビュー】参政党・神谷代表が「必ず起こる」…
  • 9
    「中国は危険」から「中国かっこいい」へ──ベトナム…
  • 10
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 5
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 6
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 7
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 8
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 9
    「心の知能指数(EQ)」とは何か...「EQが高い人」に…
  • 10
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story