【トランプ和平案】プーチンに「免罪符」、ウクライナに「降伏」――それでも「和平」と呼べるのか?
Don’t Call This a “Peace Plan”
8月にもモスクワでプーチン大統領と会ったアメリカのスティーブ・ウィトコフ特使が、今回ロシアと接触し28項目の和平案をまとめた(8月6日) GAVRIIL GRIGOROVーPOOLーSPUTNIKーREUTERS
<名目は「和平」でも、その中身はウクライナ一国に負担と譲歩を強いるものかもしれない。トランプ政権のウクライナ「和平案」には、かつてのミュンヘン協定の記憶がよみがえる>
1938年のミュンヘン協定は、当時のチェコスロバキアを屈服以外に選択肢のない状況に追い込んだ。
ネビル・チェンバレン首相率いるイギリスがフランスやイタリアと談合して、ドイツの総統アドルフ・ヒトラーによるチェコスロバキアのズデーテン地方併合を承認したからだ。
これを受けてヒトラーは、チェコスロバキア領の別な地域をそれぞれポーランドとハンガリーに譲渡すると約束し、まんまとこれら2国を抱き込んだ。

当時のチェコスロバキアはソ連と相互援助条約を結んでいたが、この結果、ポーランドがソ連軍の領土通過を拒んだため、ヒトラーはソ連による軍事介入を回避できた。
当時のチェコスロバキアにはヨーロッパで指折りの軍需産業があった。少しでも同盟諸国からの支援があれば、あの国はヒトラーの侵略を阻止できたかもしれない。だが孤立無援では戦えない。
数カ月後にはヒトラーの軍隊がチェコスロバキアの他地域にも進軍し、制圧した。そうやって第2次大戦への道が開かれたのだった。
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