【トランプ和平案】プーチンに「免罪符」、ウクライナに「降伏」――それでも「和平」と呼べるのか?
Don’t Call This a “Peace Plan”

今日のウクライナは、もちろん38年のチェコスロバキアとは違う。だがアメリカとロシアの間で合意されたという28項目の「和平案」を読むと、まるでミュンヘン協定の21世紀版だ。
ドナルド・トランプ米大統領は当時のチェンバレン英首相と同様、第三国の領土と将来について、その当事国の頭越しにロシア大統領ウラジーミル・プーチンと話をつける権利があると信じているらしい。
こんな話は筋が通らない。トランプは欧州の地政学をまるで理解していない。ロシアがウクライナを再び支配しようと決意している事実も、ウクライナ人が国土と独立を守るために戦い続ける覚悟でいることも、トランプには分かっていない。
しかもトランプは、またぞろウクライナに戦争の責任をなすり付けようとしている。
11月23日のジュネーブでの米・ウクライナ協議後には、「こちらの努力に対して示す感謝の意がゼロ」だと言ってウクライナ政府を非難した。
その協議では、あの28項目の和平案に大きな修正が加えられたと報じられた。だが詳細は不明で、そもそも正式な修正にはトランプとプーチンの承認が必要とされている。





