コラム

G7の英コーンウォールで2450%増の感染爆発 人流増でデルタ株拡大 東京五輪は本当に安全か

2021年06月22日(火)19時41分

【チャート】G7と新規感染者の広がり

英政府が公開している新規感染者マップで確認すると(1)セント・アイヴス&ハルスタウン(2)タウェッドナック、ルラント&カービス・ベイ(3)ファルマス・イーストファルマス・ノース――の1週間ごとの新規感染者の小計は下の表のようになる。( )内は人口10万人に換算した時の指標だ。

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G7会場の1週間の新規感染者数をグラフで表すと感染の広がりは6月15日ですでにピークアウトしていることがうかがえる。

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新規感染者マップを時系列で見ても6月2日時点では感染がほとんど広がっていなかったのに、9日、16日と大量の警察官が警備に当たったG7サミット会場周辺だけでなく、国際メディアセンターが設けられたファルマス・イーストでもG7を境に感染が急激に広がったことが一目瞭然だ。

時系列で見た新規感染者マップ

〈6月2日までの1週間〉3人未満は白くなっている。

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〈6月9日までの1週間〉G7会場となったセント・アイヴス&ハルスタウン、タウェッドナック、ルラント&カービス・ベイ、国際メディアセンターが設置されたファルマス、そして警備のためチェックポイントが設けられたニューキーで感染が広がり始める。

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〈6月16日までの1週間〉ボリス・ジョンソン英首相にゲスト国として招かれていたインドはデルタ株が流行しているため、オンラインでの参加となった。新規感染者マップを見ると、カービス・ベイ、ファルマス、ニューキーでクラスターが発生していることが分かる。いずれもイギリスの中でも最悪と言える感染状況(紫色)だ。

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プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

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