コラム

すき家やイオンが「インフレなのに値下げ」...これに消費者が「浮かれていられない」理由とは?

2025年11月14日(金)19時10分
企業がインフレの中での値下げを行う理由

DILOK KLAISATAPORN/SHUTTERSTOCK

<物価上昇で企業の仕入れコストも増えている中、あえて値下げを実施する企業が出てきているのはなぜか。消費者にとってはうれしいニュースのはずだが......>

物価上昇に歯止めがかからず、商品の値上げが相次ぐなか、あえて値下げに踏み切る企業が出てきている。高市政権の誕生で円安に拍車がかかっており、来春にはさらに多くの商品が値上がりする可能性が高い。あえて値下げに踏み切る企業にはどのような狙いがあるのだろうか。

牛丼チェーン「すき家」は9月4日から、全店で牛丼の値下げを実施している。並盛りで480円だった商品が450円で食べられる。大手スーパーのイオンも10月から、全国の「イオン」「イオンスタイル」など約1万店舗で期間限定の値下げキャンペーンを行っており、一部商品については大幅に安くなっている。


消費者にとってはうれしいニュースだが、値下げを行うのは企業側にとっても苦しいはずだ。それでもなお値下げに踏み切るところが出てきている背景には、日本経済が直面する厳しい現実がある。

インフレで物価が上がっている環境下では、企業の仕入れコストも増えるため、通常であれば値上げという経営判断を行う。従業員の賃金や広告宣伝費などの販売管理費は、販売価格と仕入れコストの差額(粗利益)を原資としているので、販売数量が変わらないなかで同じ利益を確保するには値上げを選択するしかない。

プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネス、ITなどの分野で執筆活動を行う。億単位の資産を運用する個人投資家でもある。
『お金持ちの教科書』 『大金持ちの教科書』(いずれもCCCメディアハウス)、『感じる経済学』(SBクリエイティブ)など著書多数。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

独鉱工業受注、11月前月比+5.6% 大型受注が寄

ワールド

軍民両用品目の対日輸出規制強化、民生用途の輸出には

ビジネス

ファーストリテ、26年8月期業績・配当予想を上方修

ワールド

米国の脱退、「正式な手続き必要」と太平洋環境保護機
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:AI兵士の新しい戦争
特集:AI兵士の新しい戦争
2026年1月13日号(1/ 6発売)

ヒューマノイド・ロボット「ファントムMK1」がアメリカの戦場と戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    ベネズエラの二の舞を恐れイランの最高指導者ハメネ…
  • 5
    「グリーンランドにはロシアと中国の船がうじゃうじ…
  • 6
    マドゥロ拘束作戦で暗躍した偵察機「RQ-170」...米空…
  • 7
    日本も他人事じゃない? デジタル先進国デンマークが…
  • 8
    公開されたエプスタイン疑惑の写真に「元大統領」が…
  • 9
    衛星画像で見る「消し炭」の軍事施設...ベネズエラで…
  • 10
    「ショックすぎる...」眉毛サロンで「衝撃的な大失敗…
  • 1
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチン、その先は袋小路か
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙…
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    眠る筋力を覚醒させる技術「ブレーシング」とは?...…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 9
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 10
    ベネズエラの二の舞を恐れイランの最高指導者ハメネ…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 7
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 10
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story