コラム

コメ不足問題、いくら政府を批判しても「価格が下がらない」理由...抜本的な解決に必要なのは?

2025年05月28日(水)19時27分

政府が管理・統制するべきか、自由市場に任せるべきか

もっとも自由化したとはいえ、コメは日本人の主食であり、食糧安全保障という観点もあるため、引き続き政府は輸入米に対して高い関税をかけることで農業を保護してきた。つまり現状の農政は、完全に自由市場に任せるのか、政府が責任を持って管理・統制するのかハッキリしない状態となっている。

食管制度を復活させることは現実的な選択ではないにせよ、国民が政府に対してコメの安定供給を強く求めるのであれば、相応の国費を投入して政府が管理する必要があり、そのためには、財源をどこから持ってくるのかという議論について避けて通ることはできない。


一方、自由市場に任せるという原理原則を貫く場合、低価格での安定供給を実現するには輸入米について検討せざるを得ないだろう。

だが、輸入を拡大すれば、食糧安全保障の根幹が揺らぐ可能性があり、安易に決めることはリスクが大きい。ひとたび枠を拡大し、輸入米が国内市場で一定のシェアを超えた場合、零細農家が生産を持続するのはほぼ不可能となり、いざというときにコメ不足が発生するリスクがあることについては理解しておく必要がある。

プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネスなどの分野で執筆活動を行うほか、テレビやラジオで解説者やコメンテーターを務める。『お金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)、『スタグフレーション』(祥伝社新書)、『本気で考えよう! 自分、家族、そして日本の将来』 (幻冬舎新書)など著書多数。

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