コラム

トランプは関税発動とインフレ退治のどちらを優先? ついに見えてきた「トランプ経済」の中身

2025年04月03日(木)18時28分

市場が最も嫌う「不確実性」が排除されたのは朗報

世界経済には、引き続き景気後退やインフレのリスクが残ることになるが、少なくともトランプ政権の経済政策の方向性が全く見えないという不確実性だけは排除されたとみてよいだろう。

市場が最も嫌うのは先が読めないことであり、たとえ悪い材料であったとしても方向性が定まりつつあることは良いニュースともいえる。各国政府もトランプ政権の方針がハッキリしてきたことを受けて、交渉を本格化してくると予想される。

今後の世界経済はトランプ氏による不確実性への対処から、トランプ経済への具体的な対処にシフトすることになる。日本についていえば、関税が発動されれば輸出に打撃となるのはほぼ間違いない。日本企業の現地生産強化など、より具体的な提案が必要となるだろう。


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プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネス、ITなどの分野で執筆活動を行う。億単位の資産を運用する個人投資家でもある。
『お金持ちの教科書』 『大金持ちの教科書』(いずれもCCCメディアハウス)、『感じる経済学』(SBクリエイティブ)など著書多数。

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