発光バクテリアが光る「生きているたまごっち」──学生が生み出した育成玩具「イカキッド」
The “Living Tamagotchi”
イカ型育成ゲーム機「スキッドキッド」 RENDER IMAGES BY SOPHIA MARTIN
<90年代に一世を風靡した「たまごっち」を思わせる小さなおもちゃが、今ふたたび「命を育てる体験」を子供たちに届けようとしている。米ノースイースタン大学の学生チームが開発したイカ型デバイス「イカキッド」は、発光バクテリアをリアルに「お世話」して育てる前代未聞のバイオ玩具だ>
▼目次
微生物とのリアルな触れ合いが子供を変える──科学が導く新しい自然教育
米ノースイースタン大学の学生たちが考案した新しいおもちゃの試作品は、1990年代に大ブームとなった卵型仮想ペット「たまごっち」を彷彿させる。ただしイカ型の育成ゲーム機「スキッドキッド(イカキッド)」を使って世話をするのは、電子ペットではなく生きたバクテリアだ。
「『生きているたまごっち』と呼んでいる。触れ合って世話をすることを学ぶ点は『元祖』と同じだが、こちらは発光バクテリアが入っている。イカ型ゲーム機を握り締めたり、振ったり、酸素を与えたりすると淡く光るのは、プログラムや電池仕掛けではなく、生きているからだ」と学生たちを指導するカティア・ゾロトフスキー助教は本誌に語った。「子供たちが気を配って世話をすることが別の生物の生存に直結する」
「子供たちはおもちゃをいつも丁寧に扱うとは限らない。たまごっちは無視していると死んでしまうが、スキッドキッドの場合は実際に生き物を殺すことになる」と、研究チームの大学院生ディードラ・ニチョネイルは言う。
ゲーム機本体の透明な容器に入っているバクテリアに酸素と培養液を与え、頻繁に振って「お世話」する。酸素は触手の部分をぎゅっと握って供給する仕組みだ。

「バクテリアが健康で満足しているときだけ光る。自然界で同じバクテリアの宿主である、ハワイのダンゴイカの仲間をヒントにした」とゾロトフスキーは言う。
子供たちがバクテリアを手にするなんて親は嫌がりそうだが、研究チームは「国際バイオデザインチャレンジ」の最終選考に残り、時間をかけて安全性を向上させてきた。
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