シェアライド議論の背景にある、新ビジネスに「感情的に反対」ばかりする日本人の「損」な気質
規制緩和には常にメリットとデメリットが
当時の日本は景気がよく、コンビニで高い買い物をさせられているという感覚は多くの国民が持っていなかったかもしれない。
だが時代は変わり、国民生活がインフレによって窮乏するようになると、安値で販売することの重要性についてより強く認識するようになった。コンビニ側も顧客動向の変化は無視できず、現在では値引き販売を行うようになっている。もし大店法の規制がなければ日本の消費市場の姿はもっと違ったものになっていた可能性もある(大店法は00年に廃止)。
規制緩和には常にメリットとデメリットがあり、バランスを考えて決断することが重要であり、ライドシェアにもその理屈は当てはまる。
顧客が多い都市部ではライドシェアもビジネスとして十分に成立するだろうが、本当に過疎が進む地域ではうまくいかない可能性もあり、その場合には公費による交通手段の確保が重要な課題となる。イチかゼロではない地域の実情に合わせた判断が必要だ。

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