コラム

現在のインフレを、単なる「コストプッシュ型」と思考停止していては対策を誤る

2022年02月02日(水)17時20分

日米独のマネーサプライ(現マネーストック)は71年以降、急増しており、市場はジャブジャブのマネーであふれ返っていた。このタイミングで産油国が強引に原油価格を引き上げたことから、インフレが一気に加速したというのが事の真相である。

今回の物価上昇も、1次産品の値上がりに加え、コロナ後の景気回復期待、新興国の経済成長による需要増、米中分断による調達コストの上昇、量的緩和策など、多くの要因が関係している。

インフレが進む時というのは、貨幣要因と複数のコスト要因が絡み合うものであり、単純に上がっている製品の価格を抑制しても十分な効果は得られない。供給に制限があるなかで、無理に需要を拡大するとインフレを加速させるリスクがあり、景気が悪化したからといって安易な財政出動も選択しにくい。

インフレの厄介なところはまさにこの部分であり、それ故に各国政府はインフレ対策に苦慮してきた。

インフレがどの程度進むか現時点では分からないが、仮に物価上昇が本格化した場合、対応はかなり難しくなると思ったほうがいいだろう。

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プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネスなどの分野で執筆活動を行うほか、テレビやラジオで解説者やコメンテーターを務める。『お金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)、『スタグフレーション』(祥伝社新書)、『本気で考えよう! 自分、家族、そして日本の将来』 (幻冬舎新書)など著書多数。

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