コラム

大塚家具が2期連続の赤字で「かぐや(家具屋)姫」大ピンチ。再建のカギを握るのは貸会議室?

2018年02月20日(火)13時20分

TKPとの提携によって空きスペースを収益化し、その間にリストラを進めていくことで、収益体質に転換するというシナリオが見えてくる。

ただ、こうした措置はあくまで対症療法に過ぎない。

経営権をめぐる混乱で、多少、イメージが悪化したとはいえ、大塚家具にはそれなりのブランド力がある。同社に対しては買収の噂も出ており、貸会議室運営からの脱皮を狙うTKPにとっては、追加出資という選択肢もあり得るだろう。現在の持ち株比率から考えれば、TKPが創業家を超える大株主になることは簡単である。

いずれにせよ、今期中には久美子氏による立て直しの成否がほぼはっきりする。業績を回復して独立経営を維持できるのか、他社との本格的な資本提携に踏み切らざるを得ないのか、結果が出るのはそれほど先のことではないだろう。

プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネス、ITなどの分野で執筆活動を行う。億単位の資産を運用する個人投資家でもある。
『お金持ちの教科書』 『大金持ちの教科書』(いずれもCCCメディアハウス)、『感じる経済学』(SBクリエイティブ)など著書多数。

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