コラム

ベラルーシがウクライナの二の舞いにならない理由

2020年09月04日(金)10時00分

反政府行動は当局の強腰な対応に反発して息を吹き返すが、リーダー不在だ。チハノフスカヤは投獄された夫に代わり立候補しただけで、今は隣国リトアニアに避難。インタビューでは「負わねばならない責任が怖い」と述べ、腰が引けている。

そのため常識で考えるなら、事態は沈静化するだろう。心配なのは、デモ隊の中の跳ね上がりが大統領官邸占拠などを試みて流血騒ぎとなる事態だが、そのときはルカシェンコも軍を使って本気での鎮圧を図るだろう。だが、NATOは介入するまい。

筆者が興味があるのはむしろ、「アメリカに唆されたのではない内発的な民主化要求」はロシアでも起こり得る(既に7月、極東ハバロフスクで起きた)ということを、ロシア指導部が肝に銘じたとき、内外政の方向をどう変えるか、ということだ。

<2020年9月8日号掲載>

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2020年9月8日号(9月1日発売)は「イアン・ブレマーが説く アフターコロナの世界」特集。主導国なき「Gゼロ」の世界を予見した国際政治学者が読み解く、米中・経済・テクノロジー・日本の行方。PLUS 安倍晋三の遺産――世界は長期政権をこう評価する。

プロフィール

河東哲夫

(かわとう・あきお)外交アナリスト。
外交官としてロシア公使、ウズベキスタン大使などを歴任。メールマガジン『文明の万華鏡』を主宰。著書に『米・中・ロシア 虚像に怯えるな』(草思社)など。最新刊は『日本がウクライナになる日』(CCCメディアハウス)  <筆者の過去記事一覧はこちら

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