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【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それでも株価が下がらない理由と、1月に強い秘密

2025年12月27日(土)12時00分
岡田禎子(個人投資家、ファイナンシャル・プランナー)


■不祥事で揺れた株価。それでも注目される理由とは?

東京エレクトロンの株価は、今年夏に一旦調整したものの、その後はAI関連株人気に乗って順調に上がってきました。

12月2日、台湾の検察当局が、同社の台湾子会社を国家安全法などに違反した罪で起訴。1億2000万台湾ドル(約6億円)の罰金を求めることを発表しました。これを受けて、株価は一時10%ほど下落します。

今回の起訴は、世界最大の半導体受託製造会社であるTSMC(台湾)の機密情報を元従業員が不正に取得したことについて、企業側の責任を追及するもの。TSMCなど主要顧客との関係については、引き続き注視する必要があります。

しかしながら、ファンダメンタルズに変化がない中での株価下落は冷静な見直し買いが入りやすい。東京エレクトロンは、そういった視点で見られている銘柄のひとつでもあります。そのため、株価はその後すぐに上昇に転じ、現在では11月初旬の水準まで戻しています。

東京エレクトロンが1月相場に強い理由

そんな東京エレクトロンですが、株式市場では「1月相場に強い銘柄」としてよく知られています。その理由は大きく3つ──1月効果、CES、そして、ビッグテックの決算です。

■「1月効果」のアノマリーは大型株にも

1月相場には、昔から「1月効果」と呼ばれるアノマリー(経験則)があります。もともとは中小型株が上がりやすい現象として知られていて、その背景には、年末は節税対策の売りが出る影響で市場全体が一時的に弱含む、という構造があります。

年が明けてこの売りが落ち着くと、市場に資金が戻りやすくなります。さらに、ヘッジファンドなどの機関投資家は、新しい年の運用戦略に合わせてポートフォリオを組み換えるため、業績の確かな「大型株」にも買いが入りやすいのです。

なかでも、その時代の「主役テーマ」は、年の始めの1月相場に買われやすい傾向があります。半導体セクターは、近年のAI投資の拡大を背景にした上昇相場において、まさに主役と言うべき存在。実際、ここ数年の1月相場でも強い値動きを示してきました。

こうした需給の追い風を最も受けやすい銘柄のひとつが、業績が良く、明確な成長ストーリーをもつ東京エレクトロンです。

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