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NATOの終わりの始まり? トランプ政権は欧州を「敵」認定して分断しようとしているのか
グリーンランド人は米市民か、EU市民かを迫られる?
日本ではほとんど言及されることがないが、グリーンランド人はEU市民である。
デンマーク国籍をもつグリーンランド人は、EUに対して「超いいとこ取り」の状況だ。彼らが「デンマーク国籍保持者でいたい」「デンマーク自治領でありたい」と願うのなら、それは「EU市民でいたい」と実質セットである。
彼らはEU市民として、EU域内で居住も就労も就学も自由にできる。域内に住むのなら、EU加盟国のEU市民と同じように、EUの欧州議会選挙に投票もできるし、在住国の地方選挙に投票もできるし、立候補もできる。対して、EU加盟国のEU市民は、グリーンランドに行くのは「EUの外に出る」とみなされる。
グリーンランド自体は自治領としてEUに加盟していない。EUの単一市場、シェンゲン協定、農業・通商政策は適用されていない。自治領だからデンマーク本国とは異なる自治を確保しており、最も重要な産業である漁業で、同地は主権をもっているのだ。
ここで、グリーンランド独立問題である。
5万6000人が住むグリーンランドでは、近年独立運動は勢いを増していた。背後には、1960年代に実施された、強制的な避妊キャンペーンの暴露問題などがある。女性に対する暴力が依然としてタブー視されている同地で、勇気ある告発があった。
デンマークのジャーナリストたちは、公共放送デンマーク放送協会(DR)のサイトで2023年に調査結果を発表して、自国の闇を公表した。政府のアーカイブに基づき、当時、出産年齢の女性9000人に対して4500件もの子宮内避妊器具が装着されたという驚くべき数字を算出した。
それでも独立宣言が控えられてきたのは、コペンハーゲンが同地の予算の半分を補助金として負担してきたからだろう。原則、無料の医療に無料の教育。高度な医療や教育は本土頼み。そしてNATO加盟国の地位と二国間防衛協定によってアメリカが提供する安全保障。人々は現状維持を望んでいたようだ。
しかし、トランプの言動が流れを変え、新たに独立運動が注目されるようになった。同地では4月に総選挙が行われるが、前首相でイヌイット友愛党党首のムテ・エーエデは、「再選された場合、独立に関する国民投票の実施を目指す」と新年のスピーチで述べた。
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