米国務長官、メキシコとの安全保障協力を「最も緊密」と自賛

9月4日 ルビオ米国務長官は訪問先のメキシコで3日、麻薬密輸や不法移民流入などの分野で両国が緊密に協力するとして「今までで最も緊密な安全保障協力であり、全ての国の中でもそうかもしれないが、少なくとも米国とメキシコの関係では間違いなくそうだ」と自賛した。写真はルビオ米国務長官(写真左)とデラフエンテ外相(写真右)。3日、メキシコ市で撮影(2025年 ロイター/Henry Romero)
Daphne Psaledakis Brendan O'Boyle
[メキシコ市 3日 ロイター] - ルビオ米国務長官は訪問先のメキシコで3日、麻薬密輸や不法移民流入などの分野で両国が緊密に協力するとして「今までで最も緊密な安全保障協力であり、全ての国の中でもそうかもしれないが、少なくとも米国とメキシコの関係では間違いなくそうだ」と自賛した。デラフエンテ外相との共同記者会見で語った。
トランプ政権が不法移民と麻薬流入の大規模な取り締まりを進める中で、デラフエンテ氏は両国の移民・安全保障協力を「否定できない成果だ」と胸を張った。
中南米系のルビオ氏は、シェインバウム大統領および閣僚らと安全保障問題について協議し、メキシコの取り組みを称賛した。
一方、米軍は2日にカリブ海でベネズエラ発の船舶を攻撃して11人を殺害し、米当局は違法薬物を積んでいたと説明している。ルビオ氏は、トランプ大統領が「麻薬テロ組織との戦争」を進める中でこのような攻撃は「再び起こるだろう」との見通しを示した。
攻撃に対するメキシコ政府の立場を質問されたデラフエンテ氏は、攻撃を直接批判することなく、自国が不干渉と主権尊重に取り組んでいると訴えた。また、各国は「自国領域内で」行動すべきだと言及した。
米国とメキシコは安全保障協力に関する共同声明で「主権と領土保全の尊重」を強調したが、トランプ政権はメキシコの麻薬カルテルを一方的に摘発する可能性を繰り返し示している。
元駐米メキシコ大使で、米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)の専門家のマーサ・バルセナ・コキ氏は「現時点で両国関係は最良の状態ではない」と指摘する。
トランプ氏はメキシコが麻薬カルテルの阻止に十分な対策を講じていないとして同国からの輸入品に30%の関税を適用すると表明した後、7月には発動の一時停止と貿易協定策定のために90日間の猶予を与えると発表した。
安全保障協定がメキシコへの関税にどのような意味を持つかについてルビオ氏は言及せず、自身の担当分野ではないと話した。