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米上院議員、デルタ航空のAIによる航空運賃設定計画に質問状

2025年07月23日(水)09時50分

 米議会上院の民主党所属議員の3人が米デルタ航空のエド・バスティアン最高経営責任者(CEO)に対して、航空運賃設定に人工知能(AI)を使う計画について質問状を出した。写真はデルタ航空機に荷物を積み込むスタッフら。4月23日、ニューヨークで撮影(2025年 ロイター/Jeenah Moon)

David Shepardson

[ワシントン 22日 ロイター] - 米議会上院の民主党所属議員の3人が米デルタ航空のエド・バスティアン最高経営責任者(CEO)に対して、航空運賃設定に人工知能(AI)を使う計画について質問状を出した。質問状を出したのはルーベン・ガレゴ、マーク・ワーナー、リチャード・ブルーメンソルの3議員で、旅行客に悪影響が及ぶとの懸念を示した。質問状は21日付で、3議員は22日に内容を公開した。

質問状は「デルタの現在および計画中の個人別運賃設定方法はデータのプライバシーに関して懸念があるだけでなく、米家庭がコスト上昇に苦しんでいる時に消費者個人が『お金を払ってでも解決したい』と考える水準まで運賃を値上げすることを意味する可能性が高い」と批判。AIを活用した運賃設定に携わる企業のフェッチャーとデルタが提携し、年内に国内線航空券の20%にAIを活用した収入管理技術を導入する計画だとする最近のデルタのコメントを引用した。

質問状によると、デルタ幹部はかつて投資家に対してこの技術は「人々が基本運賃に関してプレミアム商品に支払う考えがある金額」の予測に基づいて運賃を設定できると語っていた。

これに対しデルタは「デルタがこれまでに使ったか、試験中か、使用予定の運賃商品で、個人情報などに基づいて顧客に対して個別に提供するものはない」との声明を出した。その上でダイナミック・プライシング(価格変動制)の運賃は30年超前から使われており、顧客全体の需要などさまざまな要因に基づいて運賃が変動するものの、特定の消費者の個人情報に基づいているわけではないと説明した。

また、ダイナミック・プライシングに使うAI技術は手動のプロセスをなくすために試験をしており、分析や調整のプロセスを加速させているとも補足。これにより、全ての顧客があらゆる販売先で同じ運賃やオファーを受けられるようになると強調した。

ロイター
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