密航業者に制裁、英政府 不法移民対策を強化

英政府は23日、小型ボートによる不法移民の取り締まりを強化するため、密航業者に制裁を科したと発表した。イギリス海峡を渡る難民、昨年8月にドローンから撮影(2025年 ロイター/Chris J. Ratcliffe/File Photo)
[ロンドン 23日 ロイター] - 英政府は23日、小型ボートによる不法移民の取り締まりを強化するため、密航業者に制裁を科したと発表した。24個人と1団体が対象となった。
昨年就任したスターマー首相は不法移民の流入を抑制するため「ギャングを壊滅」することを公約に掲げていたが、今年1─6月にドーバー海峡を渡って英国に到着した移民は2万人と、前年同期比で約50%増加した。
政府は今年1月に制裁に関する新体制の概要を発表。小型ボートの提供、文書偽装、ハワラ(地下送金システム)の利用に関与した個人・団体に制裁を科す。
今回、制裁対象になったのは、密航を請け負ったイラク系の7人、偽造旅券を用意したバルカン半島出身者8人のほか、オンラインで密航用の小型ボートを宣伝した中国企業1社、ベルギーとセルビアで活動する複数の「ギャングのボス」という。