国連事務総長、30年までにデータセンター稼働の全面再エネ化を呼びかけ

7月22日、グテレス国連事務総長(写真)は、2030年までにデータセンターで必要となる全ての電力を再生可能エネルギーで賄うようIT企業に呼びかけた。同日、ニューヨークで撮影(2025年 ロイター/Brendan McDermid)
Valerie Volcovici
[ワシントン 22日 ロイター] - グテレス国連事務総長は22日、2030年までにデータセンターで必要となる全ての電力を再生可能エネルギーで賄うようIT企業に呼びかけた。データセンターの電力需要が急増する中で、IT企業はガスや石炭火力発電所の電力を使う動きを強めている。
グテレス氏はニューヨークの国連本部の演説で、一部の国や企業が化石燃料を依然受け入れている中でも再生可能エネルギーへの移行は避けられないと強調。「未来はクラウドに築かれる」とし、「それは太陽光、風力、より良い世界になるとの約束によって稼働しなければならない」と訴えた。
その上で各国政府に対し、気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」の目標達成に向けて今年9月までに新たな国家気候変動対策の計画を策定するように訴えた。
グテレス氏は今、各国政府が全ての新規電力需要を再生可能エネルギーで賄い、冷却システムに持続可能な水を使う好機を迎えているとの見解を示した。
一方、トランプ米大統領は復帰した1月にパリ協定から離脱する大統領令に署名するとともに、エネルギーに関する国家非常事態を宣言。人工知能(AI)開発で中国と対抗するため、データセンターが必要とする膨大なエネルギーに当てるためにガスや石炭、原子力を燃料とする発電所の増設に向けた環境規制緩和に乗り出している。