ニュース速報
ワールド

EU、包括的対ロ制裁案を依然可決できず スロバキアが反対

2025年07月17日(木)08時23分

 7月16日、欧州連合(EU)は、前日に続きウクライナに侵攻したロシアへの包括的な制裁強化案の承認に失敗した。写真は、「Sanctions(制裁)」の文字が、EUとロシアの国旗の前に置かれているイメージ。2022年2月、ボスニア・ヘルツェゴビナのゼニカ市で撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

Kate Abnett Jason Hovet

[ブリュッセル 16日 ロイター] - 欧州連合(EU)は16日、前日に続きウクライナに侵攻したロシアへの包括的な制裁強化案の承認に失敗した。

スロバキアはロシア産エネルギーを輸入している。欧州委員会は15日にスロバキアに対し、同国の懸念を払拭するために努力するとの書簡を出して対ロ制裁への支持を求めていたが、EU外交筋4人によると、16日の大使級会合でも反対姿勢を崩さなかった。マルタも反対を表明したという。

スロバキアは、ロシア産天然ガスの調達を2027年末にかけて段階的に廃止することを目指すEUの別の計画によって自国が損害を受けると反発。ロシアからのガス調達の段階的廃止による損害を食い止められるとの保証を得るまでは制裁案を承認しない姿勢を示している。

スロバキアのフィツォ首相は、フォンデアライエン欧州委員長宛ての書簡で「わが国はこの(ロシアからのエネルギー調達の段階的廃止)の提案を制裁だとみなしており、これは当然ながら(中略)包括的な制裁案とリンクしている」とし、「したがって、28年からのガス供給に関するリスクのかなりの部分が解決された場合にだけ、(対ロシアの)第18次制裁包括案を採決できると見込んでいる」との見解を示した。その上で、欧州委がスロバキアへの約束を明確化するために協議を続けることを要求した。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

午後3時のドルは148円半ばへじり高、参院選控え円

ビジネス

英金融システムの準備金、適正水準目指す=中銀幹部

ビジネス

S&P、日本製鉄をBBBに格下げ アウトルックはネ

ビジネス

TSMC、第2四半期は過去最高益 AI需要寄与し予
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 2
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 3
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長だけ追い求め「失われた数百年」到来か?
  • 4
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 5
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 6
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 7
    「巨大なヘラジカ」が車と衝突し死亡、側溝に「遺さ…
  • 8
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 9
    「異常な出生率...」先進国なのになぜ? イスラエル…
  • 10
    約3万人のオーディションで抜擢...ドラマ版『ハリー…
  • 1
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 2
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 3
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 4
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 8
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 9
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 10
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 6
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 7
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中