海事機関、ホルムズ海峡のイラン領海の航行を避けるよう勧告

6月18日、イスラエルによるイランへの軍事攻撃に端を発する戦闘を受け、海事機関が船舶運航会社に対してホルムズ海峡周辺のイラン領海の航行を避けるように勧告していることが分かった。海運関係者が明らかにした。写真はホルムズ海峡へ貨物を移動させるタグボート。2018年7月、オマーン・ムサンダム特別行政区で撮影(2025年 ロイター/Hamad I Mohammed)
[ロンドン 18日 ロイター] - イスラエルによるイランへの軍事攻撃に端を発する戦闘を受け、海事機関が船舶運航会社に対してホルムズ海峡周辺のイラン領海の航行を避けるように勧告していることが分かった。海運関係者が18日、明らかにした。
今回の措置は影響を最小限に抑えるため、船舶に対してオマーンの沿岸近くを航行するように勧告した。だが、かつてイランは欧米諸国による制裁への報復としてホルムズ海峡を封鎖するとけん制しており、ホルムズ海峡を航行できなくなれば貿易が制限されて世界の原油価格を押し上げる可能性がある。
船舶追跡サイト「マリントラフィック」によると、18日には大半の船舶がオマーン沿岸近くを航行し、イラン領海内を航行していたのは主にイラン船籍の船舶だった。
ギリシャ海運・島しょ政策省は17日、「過去にイラン沿岸で商船の航行の自由と海上安全の侵害があったことを考慮し、ギリシャ船籍の船舶はペルシャ湾、ホルムズ海峡、オマーン湾を航行する際には、可能であればイランの管轄海域から離れることを強く勧告する」との声明を出した。
オマーン湾の幅は200マイル(約320キロ)あり、うち大半は国際水域になっている。オマーンとイラン、アラブ首長国連邦(UAE)、パキスタンに隣接しており、これらの国々は12マイルの領海を有している。
ホルムズ海峡の幅が最も狭い部分は21マイル(約33キロ)で、2方向の航路は幅がそれぞれ2マイル(約3キロ)しかない。