トランプ政権、イラン攻撃のイスラエルと距離 核協議さらに複雑化

トランプ米政権は、イランの核兵器開発を阻止するためとして同国の核関連施設に先制攻撃を行ったイスラエルから距離を置こうと努めている。写真はワシントンで9日撮影。(2025年 ロイター/Evelyn Hockstein)
[ワシントン 12日 ロイター] - トランプ米政権は、イランの核兵器開発を阻止するためとして同国の核関連施設に先制攻撃を行ったイスラエルから距離を置こうと努めている。攻撃によりトランプ大統領が進めるイランとの核協議は複雑化するとみられる。
米国とイランとの6回目の核協議が15日に予定される中、イスラエルは現地時間13日未明、イランの核開発阻止を狙い関連施設に攻撃したと発表した。
ルビオ米国務長官は、イスラエルによる対イラン攻撃について事前に連絡を受けていたと声明で表明。ただ、「われわれはイランへの攻撃に関与しておらず、最優先事項はこの地域の米軍を守ることだ」とし、イスラエルが「自衛のために必要」と伝えてきたと説明した。
さらに、「はっきりさせておきたい。イランは米国の利益や人員を標的にすべきではない」と強調。一方で、イスラエルが報復攻撃を受けた場合、米国が支援するかどうかには言及しなかった。
トランプ氏は11日、中東が「危険な場所になる可能性がある」ため、米国の職員を中東から移動させていると発言し、米国はイランの核兵器保有を認めない立場を改めて表明した。
米国とイランは12日、ウィットコフ中東担当米特使とイランのアラグチ外相が15日にオマーンで再び会談する計画を発表。会合が開催されるかどうかは現時点では不明で、ウィットコフ氏の広報担当は問い合わせに直ちに回答しなかった。
米当局者は12日遅く、「15日に協議を行うつもりだ」と述べたが、詳細は明らかにしなかった。
ただトランプ氏は協議について曖昧で、FOXニュースに「イランは核兵器を保有することはできない。我々は交渉のテーブルに戻ることを望んでいる。どうなるか見守るしかない」と述べた。