国連総会、ガザでの無条件恒久停戦を賛成多数で採決 米やイスラエルは反対

6月12日、国連総会は、パレスチナ自治区ガザでの戦闘の無条件かつ恒久的な即時停戦と、イスラエルによる人道支援への制限を解除するように求める決議案を賛成多数で採択した。ニューヨークの国連総会で撮影(2025年 ロイター/Kylie Cooper)
[国連 12日 ロイター] - 国連総会は12日、パレスチナ自治区ガザでの戦闘の無条件かつ恒久的な即時停戦と、イスラエルによる人道支援への制限を解除するように求める決議案を賛成多数で採択した。構成する193カ国のうち149カ国が賛成し、米国やイスラエルなど12カ国は反対した。19カ国は棄権した。
決議にはイスラム組織ハマスがガザで拘束している人質の解放、イスラエルが拘束しているパレスチナ人の人質の解放、イスラエル軍のガザからの完全撤退も要求。決議文ではイスラエルが「戦争の方法として民間人を飢餓状態に陥れ、人道支援へのアクセスを不当に拒否し、支援物資の供給やアクセスを故意に妨げている」とし、「民間人の生存に不可欠なものを奪うことを強く非難する」と糾弾した。
ただ、国連安全保障理事会の決議とは異なり、国連総会での決議には法的な拘束力がない。とはいえ戦闘に対する世界的な見解としては一定の重みがある。
イスラエルのダニー・ダノン国連大使は採択前に、決議案について人質解放交渉を弱体化させ、ハマスへの非難を怠る「茶番劇」だと反発して賛成しないように要求した。
一方、リビアのタヘル・エル・ソニ国連大使は投票前に「本日、赤いボタンを押してこの決議案に反対票を投じた人々は、その指に血のしみをつけることになる」とけん制した。
国連総会は2023年10月にガザでの人道的な即時停戦を求める決議案を121カ国の賛成で採択。23年12月にはガザでの人道的な即時停戦を求める決議案を153カ国の賛成で採択し、24年12月にも無条件で恒久的な即時停戦を158カ国の賛成で決議した。