中国、アフリカ53カ国の関税撤廃へ LDCに加え中所得国も対象

6月12日、中国外務省は、同国が外交関係を結んでいるアフリカ53カ国への関税撤廃を盛り込んだ新たな経済協定の署名に向けて交渉すると表明した。写真は習近平国家主席とコンゴ共和国のサスヌゲソ大統領。北京で2024年9月撮影(2025年 ロイター/Florence Lo)
[ナイロビ 12日 ロイター] - 中国外務省は、同国が外交関係を結んでいるアフリカ53カ国への関税撤廃を盛り込んだ新たな経済協定の署名に向けて交渉すると表明した。
中国は現在、多くのアフリカ諸国を含む後発開発途上国(LDC)に対して輸入関税と輸入枠なしの市場アクセスを提供しているが、新たな協定では中所得国にも同じ条件を提供する。
中国外務省は、長沙市で行われた同国高官とアフリカ諸国外相らとの会談後、「中国はアフリカから中国市場に高品質商品を迎え入れる用意がある」と発表した。
南アフリカなどの中所得国にも市場を全面開放すれば、タンザニアやマリなどのLDC諸国が非常に不利になるため、中国はLDC諸国に訓練やマーケティングプロモーションなどの追加的な支援を行うと約束した。
アナリストは、ケニア、南ア、ナイジェリア、エジプト、モロッコなどの中所得国が関税なしで中国市場に参入できるようなり、恩恵を受けると指摘している。
中国とアフリカ諸国の貿易は近年拡大しているが、中国側に恩恵が偏っており、昨年は中国側の貿易黒字が620億ドルに上った。