ニュース速報
ワールド

トランプ氏、イスラエルのイラン攻撃「あり得る」 数日内検討と米紙

2025年06月13日(金)08時15分

Fトランプ米大統領は12日、イスラエルによるイランへの攻撃は「十分に起こり得る」と述べた。写真は、テヘランの通りに描かれた反米をテーマとした壁画。5月11日、イランのテヘランで撮影(2025年 ロイター/Majid Asgaripour)

Jeff Mason Francois Murphy Parisa Hafezi

[ワシントン/ウィーン/ドバイ 12日 ロイター] - トランプ米大統領は12日、イスラエルによるイランへの攻撃は「十分に起こり得る」と述べた。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は12日、米国とイスラエルの当局者の話として、イランが米国の提案する核開発の制限を拒否した場合、イスラエルが数日中にイランを攻撃する可能性があると報じた。

トランプ氏は「紛争は避けたい」と改めて表明。交流サイト(SNS)「トゥルース・ソーシャル」に「われわれはイラン核問題の外交的解決に引き続きコミットしている!」と投稿し「私の政権全体がイランとの交渉を指示されている。(イランは)偉大な国になり得るが、まず核兵器を保有するという希望を完全に捨てなければならない」と述べた。

米国とイランは15日にオマーンでイランの核開発問題を巡る6回目の協議を実施する。

国際原子力機関(IAEA)は12日、イランが核不拡散義務に違反しているとして同国を非難する決議を採択。これに対しイランは対抗措置を発表し、中東の緊張が高まっている。

米情報機関は、イスラエルがイランの核施設への攻撃準備を進めていることを示唆。トランプ氏は11日、中東が「危険な場所になる可能性がある」ため、米国の職員を中東から退避させていると述べた。

WSJは米当局者の話として、イスラエルのネタニヤフ首相が9日のトランプ氏との電話会談で、攻撃の可能性に言及したと報じた。

トランプ氏はホワイトハウスで記者団に対し、イスラエルによるイラン攻撃は「差し迫っているとは言いたくないが、十分起こり得ることのように見える」と発言。「紛争は避けたい」としながらも、「イランは厳しい交渉を強いられる」とし、イランは何らかの譲歩をしなければならないとの考えを示した。

トランプ氏は、核協議が決裂した場合はイランを攻撃すると繰り返し警告している。11日には、米国の主要な要求であるウラン濃縮の停止にイランが同意するかどうかについて、自信が薄れつつあると述べた。

一部の外交関係者は、米国が中東の職員を退避させ、イスラエルによる攻撃のリスクを示唆していることについて、交渉の場でイランから譲歩を引き出す狙いがあるのではないかと指摘している。

イラン政府高官は12日、中東での緊張の高まりを理由にウラン濃縮の権利を放棄するつもりはないとロイターに述べた。イスラエルによる軍事攻撃の可能性について、地域の「友好的な」国から警告を受けたことも明らかにした。

同高官は、緊張の高まりは15日にオマーンで予定されているイランの核問題を巡る米国との高官協議で「イランに核開発に関する立場を変えるよう働きかける」ことが目的だと指摘した。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:非常口付近が安全か、座席位置に関心高まる

ワールド

イラン、イスラエルに報復攻撃 数百発のミサイル発射

ワールド

イラン攻撃「米国に事前に通知」、ネタニヤフ首相が表

ビジネス

米ミシガン大消費者信頼感、6月速報値60.5に大幅
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生きる力」が生んだ「現代医学の奇跡」とは?
  • 2
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 3
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 4
    ゴミ、糞便、病原菌、死体、犯罪組織...米政権の「密…
  • 5
    【動画あり】242人を乗せたエア・インディア機が離陸…
  • 6
    メーガン妃がリリベット王女との「2ショット写真」を…
  • 7
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未…
  • 8
    「結婚は人生の終着点」...欧米にも広がる非婚化の波…
  • 9
    先進国なのに「出生率2.84」の衝撃...イスラエルだけ…
  • 10
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタ…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラドールに涙
  • 3
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 4
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタ…
  • 5
    ふわふわの「白カビ」に覆われたイチゴを食べても、…
  • 6
    ひとりで浴槽に...雷を怖れたハスキーが選んだ「安全…
  • 7
    猫に育てられたピットブルが「完全に猫化」...ネット…
  • 8
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 9
    プールサイドで食事中の女性の背後...忍び寄る「恐ろ…
  • 10
    救いがたいほど「時代錯誤」なロマンス映画...フロー…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 9
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中