トランプ氏、イスラエルのイラン攻撃「あり得る」 数日内検討と米紙

Fトランプ米大統領は12日、イスラエルによるイランへの攻撃は「十分に起こり得る」と述べた。写真は、テヘランの通りに描かれた反米をテーマとした壁画。5月11日、イランのテヘランで撮影(2025年 ロイター/Majid Asgaripour)
Jeff Mason Francois Murphy Parisa Hafezi
[ワシントン/ウィーン/ドバイ 12日 ロイター] - トランプ米大統領は12日、イスラエルによるイランへの攻撃は「十分に起こり得る」と述べた。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は12日、米国とイスラエルの当局者の話として、イランが米国の提案する核開発の制限を拒否した場合、イスラエルが数日中にイランを攻撃する可能性があると報じた。
トランプ氏は「紛争は避けたい」と改めて表明。交流サイト(SNS)「トゥルース・ソーシャル」に「われわれはイラン核問題の外交的解決に引き続きコミットしている!」と投稿し「私の政権全体がイランとの交渉を指示されている。(イランは)偉大な国になり得るが、まず核兵器を保有するという希望を完全に捨てなければならない」と述べた。
米国とイランは15日にオマーンでイランの核開発問題を巡る6回目の協議を実施する。
国際原子力機関(IAEA)は12日、イランが核不拡散義務に違反しているとして同国を非難する決議を採択。これに対しイランは対抗措置を発表し、中東の緊張が高まっている。
米情報機関は、イスラエルがイランの核施設への攻撃準備を進めていることを示唆。トランプ氏は11日、中東が「危険な場所になる可能性がある」ため、米国の職員を中東から退避させていると述べた。
WSJは米当局者の話として、イスラエルのネタニヤフ首相が9日のトランプ氏との電話会談で、攻撃の可能性に言及したと報じた。
トランプ氏はホワイトハウスで記者団に対し、イスラエルによるイラン攻撃は「差し迫っているとは言いたくないが、十分起こり得ることのように見える」と発言。「紛争は避けたい」としながらも、「イランは厳しい交渉を強いられる」とし、イランは何らかの譲歩をしなければならないとの考えを示した。
トランプ氏は、核協議が決裂した場合はイランを攻撃すると繰り返し警告している。11日には、米国の主要な要求であるウラン濃縮の停止にイランが同意するかどうかについて、自信が薄れつつあると述べた。
一部の外交関係者は、米国が中東の職員を退避させ、イスラエルによる攻撃のリスクを示唆していることについて、交渉の場でイランから譲歩を引き出す狙いがあるのではないかと指摘している。
イラン政府高官は12日、中東での緊張の高まりを理由にウラン濃縮の権利を放棄するつもりはないとロイターに述べた。イスラエルによる軍事攻撃の可能性について、地域の「友好的な」国から警告を受けたことも明らかにした。
同高官は、緊張の高まりは15日にオマーンで予定されているイランの核問題を巡る米国との高官協議で「イランに核開発に関する立場を変えるよう働きかける」ことが目的だと指摘した。