米原油生産量、26年は5年ぶりに減少へ=EIA見通し
[ニューヨーク 10日 ロイター] - 米エネルギー情報局(EIA)は10日発表した短期エネルギー見通しで、米国での2026年の原油生産量が日量約1337万バレルとなり、25年見込みの約1342万バレルから減ると予測した。米国は世界最大の原油産出国となっており、減少すれば新型コロナウイルス禍の21年以来、5年ぶりとなる。
石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国でつくる「OPECプラス」による減産の緩和や、トランプ米大統領の輸入関税引き上げに起因する世界経済への懸念から原油価格が数年ぶりの安値圏で推移していることが要因。このためトランプ氏が公約してきたエネルギー生産拡大に反し、掘削活動が鈍化する見通しだ。
従来は26年の生産量が1349万バレルとなり、5年連続で増加すると予想していた。
一方、EIAは25年の世界全体の石油生産量見通しを1億0440万バレルとし、従来予想の1億0410万バレルから上方修正した。26年予測は1億0510万バレルで、従来予想の1億0540万バレルから下方修正した。
25年の世界での石油消費量見通しは日量約1億0350万バレルとし、従来予測より約20万バレル下方修正した。先進国の消費量鈍化が足を引っ張る。
EIAは、北海ブレント先物価格は25年平均で1バレル=65.97ドル、26年は同59.24ドルになると予想。米WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)先物は25年の平均価格が1バレル=62.33ドル、26年は55.58ドルとの見通しを示した。
10日のブレント先物価格は1バレル=66.87ドル、WTIは同64.98ドルだった。