インド外相「カシミール襲撃犯に裁きを」、米国務長官に伝達

米国のルビオ国務長官は4月30日、カシミール地方の観光客ら襲撃事件を巡りインドとパキスタンの緊張が高まる中、インドのジャイシャンカル外相、パキスタンのシャリフ首相と相次いで電話会談した。4月17日撮影(2025年 ロイター/ JULIEN DE ROSA/Pool via REUTERS)
[ニューデリー/ムザファラバード 1日 ロイター] - 米国のルビオ国務長官は4月30日、カシミール地方の観光客ら襲撃事件を巡りインドとパキスタンの緊張が高まる中、インドのジャイシャンカル外相、パキスタンのシャリフ首相と相次いで電話会談した。
ジャイシャンカル氏は電話会談後、「実行犯や支援者、計画した者」は「法の裁きを受けるべきだ」とルビオ氏に伝えたと交流サイトXに投稿した。
米国務省によると、ルビオ氏はイスラム過激派と闘うインドへの支持を表明した。パキスタンに対しては、襲撃事件の捜査に協力するよう求めた。
事件は、インドとパキスタンの係争地カシミールのパハルガム地区で4月22日に発生。イスラム教徒がヒンズー教徒を銃撃した。少なくとも26人が死亡し、その大半が観光客だった。
シャリフ氏は米国に対し、インドが発言を慎み、責任ある行動を取ることを促すよう求めた。パキスタン軍幹部は、パキスタンは平和に尽力する一方、国益を守るため「断固として対応する」と強調した。
インドは、パキスタン国籍の2人を含む3人の容疑者を特定したと発表。パキスタンは関与を否定した上で、中立的な捜査を求めている。パキスタンは、インドが近く軍事行動をとるとの「信頼できる情報」を得ているとも主張している。
パキスタン管轄下にあるカシミールでは、インドの攻撃の標的となる恐れがあるとして、地域内の全てのセミナリー(神学校)の10日間閉鎖を発表した。
インドのシン国防相は5月1日、ヘグセス米国防長官と電話会談した。シン氏側はヘグセス氏が「米国はインドと連帯し、インドの自衛権を支持すると述べた」とXに投稿した。
一方、国連はインド、パキスタン両国に対立を避けるよう求めている。