中国人民銀、経済状況に応じて効果的に政策対応 金融政策委表明

中国人民銀行(中央銀行)は27日、国内外の経済・金融情勢に応じて政策実施のペースと度合いを調整すると表明した。北京の本部、2022年撮影(2025年 ロイター/Tingshu Wang/File Photo)
[北京 27日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は27日、国内外の経済・金融情勢に応じて政策実施のペースと度合いを調整すると表明した。
四半期金融政策委員会の概要を公表、「世界経済の成長勢いが弱まるとともに貿易障壁が高まり、主要国経済の状況が乖離するなど、外部環境はますます複雑化し困難になっている」とした。
経済は「不十分な内需、持続的な物価水準の低下、複数の隠れたリスクなど、依然として困難と課題に直面している」と指摘。「金融政策調整の度合いを高め」るとし、フォワードルッキングで的を絞った効果的な政策指向を挙げた。
また、金融機関による信用供給強化と社会的資金調達コストの引き下げを推進するとした。
また、外国為替市場の弾力性を高め、為替レートがオーバーシュートするリスクを回避し、人民元レートを「基本的に合理的で均衡の取れた水準で安定させる」と確約。
低迷する不動産市場については、既存の商業用住宅や土地在庫を活性化させる努力を強め、セクターの「安定した勢い」を引き続き強化するとした。
オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)のアナリストは「金融政策に関して指導部の景気に対する見方が根本的に変化しない限り、積極的な動きは予想していない」と指摘。7月とみられる共産党の重要会議を前に中銀が主要金利を0.1%ポイント引き下げ、会議後のおそらく8月にもさらに0.3%ポイント引き下げると予想している。