インフレへの関税影響、今後数カ月で顕在化へ FRB議長が見解

6月18日、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は、トランプ大統領による関税措置の影響が波及するにつれ、インフレが夏にかけて上昇するとの見通しを示した。同日、ワシントンで撮影(2025年 ロイター/Kevin Mohatt)
David Lawder
[ワシントン 18日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は18日、トランプ大統領による関税措置の影響が波及するにつれ、インフレが夏にかけて上昇するとの見通しを示した。
FRBは18日までの連邦公開市場委員会(FOMC)でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を4.25─4.50%に据え置き、当局者は年内利下げの公算が依然大きいとの見通しを示した。ただ、パウエル氏はこの見方に過度に重きを置くべきではないとし、関税措置によって今後かなりのインフレが見込まれると述べた。
パウエル氏は会見で「最終的に誰かが関税を負担せねばならず、その一部は最終消費者の負担になる」と語り、「それが分かっているのは企業がそう言っているからだ。過去のデータからもそうだ」と述べた。
ベセント財務長官ら政権高官は、高関税の中でも一部企業は値上げを見送り、海外生産者もコストを負うため、消費者に転嫁されることはないと主張する。5月の関税収入は前年同月の約4倍に当たる230億ドルに上った。
関税がインフレに及ぼす影響は、FRBが利下げを決定するペースと時期を左右する。今回の会合で政策当局者らは年内2回の0.25%利下げを想定し、今後の全体的な利下げペースが鈍化する可能性を示唆した。
パウエル氏は、関税によるインフレへの影響は今後数カ月で顕在化するだろうと指摘。「モノのインフレが幾分上昇した」とし、「夏にかけて一層表れる」という見通しを示した。