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NY外為市場=ドル上昇、中東緊張で安全資産に資金流入

2025年06月14日(土)06時11分

終盤のニューヨーク外為市場では、米ドルがユーロと円を含む主要通貨に対して上昇した。イスラエルによるイラン攻撃を受けて中東の地政学的緊張が高まる中、投資家は安全資産に殺到した。(2025年 ロイター/Sam Mircovich)

[ニューヨーク 13日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、米ドルがユーロと円を含む主要通貨に対して上昇した。イスラエルによるイラン攻撃を受けて中東の地政学的緊張が高まる中、投資家は安全資産に殺到した。

午後の取引では、ドル/円 は0.3%高の143.88円。対スイスフランでは0.1%上昇して0.8110フランとなった。

ナティクシス・インベストメント・マネジャーズのポートフォリオマネージャー、ジャック・ジャナシエヴィッチ氏は「このような地政学的イベントでは、市場は反射的な反応を示す。ただ過去の事例は、多くの場合、こうした反応は取り合わないよう教えている」と述べた。その上で、「注目すべき点がいくつかある。この作戦はどのくらい続くのか。長引けば長引くほど、明らかに信頼感に悪影響を与え、最終的には市場の重しになる」と指摘した。

イスラエルは13日未明、イランの核関連施設や弾道ミサイル工場、軍司令官を標的とした大規模な攻撃に踏み切った。

これを受けてイランはイスラエルに報復攻撃を実施。数百発のミサイルが発射されたとの報道があり、テルアビブとエルサレムで爆発音が聞こえたという。

ドルは、トランプ関税に対する懸念から、円とフランの両方に対して週間ベースでは下落する見込みだ。対円では約1%安と、5月中旬以来の最大の週間下落となる見通しだ。

ワシントンのモネックスUSAのトレーディング・ディレクター、フアン・ペレス氏は「(イスラエル・イラン紛争は)突然、われわれに降りかかったが、主な懸念は関税とグローバル貿易の障害だ。実際に物理的な状況があり、武力紛争が長引き、エスカレートする可能性がある場合、米ドルと金は安全資産の仲間入りをする。これはある種の心理的反応だ」とした。

一方、ユーロ/ドルは0.4%安の1.1539ドルとなり、4日連続の上昇が止まる見込みだ。しかし、週間では対ドルで2週連続の上昇ペースを維持している。

ドル指数は0.5%高の98.2となり、2日連続の下落から反転した。週間では2週連続の下落となる見込み。

ドル/円 NY終値 144.09/144.10

始値 144.33

高値 144.48

安値 143.86

ユーロ/ドル NY終値 1.1552/1.1553

始値 1.1504

高値 1.1569

安値 1.1492

ロイター
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