米ブラックロック、30年に営業収益350億ドル以上を目指す

6月12日、米資産運用大手ブラックロックは投資家向け説明会で、2030年までに売上高に当たる年間営業収益を350億ドル以上に増やすことを目指し、24年の200億ドルから引き上げる計画を発表した。写真は、同社本社入り口のロゴ。2021年5月、ニューヨーク市で撮影(2025年 ロイター/Carlo Allegri)
[ニューヨーク 12日 ロイター] - 米資産運用大手ブラックロックは12日の投資家向け説明会で、2030年までに売上高に当たる年間営業収益を350億ドル以上に増やすことを目指し、24年の200億ドルから引き上げる計画を発表した。30年の時価総額は2倍の2800億ドルになるとの予想を示した。
ブラックロックの株価は12日に前日より0.5%下落した。
プライベート(未公開)市場と、テクノロジー関連への投資を成長のけん引役にし、30年にこれらの営業収益に占める割合を30%に引き上げる計画だ。24年は15%だった。
ロブ・カピート社長は、24年はブラックロックの歴史で最も「変革的」な年だったとした上で、「ブラックロックの絶頂はまだ先のことだ」と将来の成長機会への楽観的な見方を示した。
ブラックロックの資産運用額は25年3月末時点で11兆5800億ドルと、世界最大手。30年までにプライベート市場への投資で累計4000億ドルを調達することと、5%以上の手数料増加を目指している。
また、30年までに世界最大の暗号資産(仮想通貨)運用会社を目指すことも掲げた。米証券取引委員会(SEC)が24年1月に仮想通貨ビットコインの現物を運用対象とする上場投資信託(ETF)を承認後、ブラックロックは最初に提供した機関投資家の1社となった。
ロブ・ゴールドスタイン最高執行責任者(COO)は仮想通貨をトークン化したファンドに焦点を当てるとした上で、「伝統的な資本市場へのアクセスを求める人々にとって未開拓の大きな機会があると思う(中略)デジタル資産という技術を通じて」と指摘した。
TDコーウェンのアナリストらは、ブラックロックが12日に発表した計画を「かなり好意的」に受け止め、ブラックロックの投資判断を「買い推奨」で維持することを決めた。「経営陣はハードルを引き上げ、私たちはそれを建設的だと評価している」とコメントした。