NY市場サマリー(9日)S&P・ナスダック上昇、ドル弱含み、利回り小幅低下
<為替> ニューヨーク外為市場では、ドルが主要通貨に対して弱含み、狭いレンジで推移した。市場の焦点はロンドンで開催中の米中貿易協議に移っている。
米中は9日、通商問題を巡る2回目の閣僚級協議をロンドンで開始した。交渉は最長2日間続く可能性がある。
午後の取引では、ドル/円は約0.2%下落し、144.55円となった。コーペイ(トロント)のチーフ市場ストラテジスト、カール・シャモッタ氏は「ドルは後退し、モメンタムが弱まっている。取引レンジとインプライド・ボラティリティー指標に下方圧力がかかっている。投資家は、米中貿易協議から発せられるポジティブなニュースは主要通貨ペアにすでに織り込まれていると考えているためだ」と述べた。
ユーロ/ドルは0.3%高の1.1427ドルとなった。市場は先週発表された欧州中央銀行の金融政策見通しを引き続き織り込もうとしている。この見通しでは金融緩和サイクルの終了が近いことが示唆された。
英ポンドも対ドルで0.3%上昇し、1.362ドルとなった。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> 米金融・債券市場では、利回りが小幅低下した。先週6日は予想外に好調な5月の雇用統計を受け、上昇していた。
労働省が6日に発表した雇用統計は、トランプ米政権による貿易戦争の結末が依然として不透明である一方、米国経済が懸念されていたよりも回復力があるとの見方を強めた。
ジャニー・モンゴメリー・スコットの主任債券ストラテジスト、ガイ・ルバス氏は「きょうの株式市場は好調で、リスクオフの動きはない」と指摘。今週予定される3年、10年、30年債入札では「慎重ながらもある程度の需要」が示されることが予想されるものの、5月のインフレ指標は若干上昇する可能性があるとの見方を示した。
ロイターがまとめたエコノミスト予想によると、11日に発表される消費者物価指数(CPI)では、変動の激しい食品とエネルギーを除くコア指数が前年比0.1ポイント上昇の2.9%と、1月から続く鈍化傾向から反転すると予想。連邦準備理事会(FRB)が近いうちに利下げに踏み切る可能性に影を落とす可能性がある。
また市場では、この日ロンドンで始まった米中による通商問題を巡る2回目の閣僚級協議の行方にも注目が集まる。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> 米国株式市場はS&P総合500種とナスダック総合が上昇して取引を終えた。アマゾン・ドット・コムやグーグル親会社のアルファベットの上昇に支援された。貿易摩擦の緩和を目指す米中協議が注目された。
米中は9日、通商問題を巡る2回目の閣僚級協議をロンドンで開始した。
ロングボウ・アセット・マネジメントのジェイク・ダラーハイド最高経営責任者(CEO)は「市場は具体的な成果につながるかどうかに関わらず、中国とのいかなる対話も前進と見なしている。反証がない限り、政権の言葉を鵜呑みにしようとしている」と指摘した。
アマゾンとアルファベットはそれぞれ1%以上上昇した。
アマゾンはデータセンターインフラ拡大に向け、ペンシルベニア州に少なくとも200億ドルを投資する計画を発表した。
アップルは1.2%下落。9日に年次ソフトウエア開発者会議を開催したが、目新しさに欠けた。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、対ユーロでのドルの下落を背景に買いが優勢となり、3営業日ぶりに反発した。
中国国営新華社通信によると、米中両政府は9日、ロンドンで約1カ月ぶりとなる閣僚級の貿易協議を開始した。米メディアによると、協議は翌10日まで続く見込みだという。 貿易協議の結果への警戒感からドル買いが手控えられ、ユーロなど主要通貨に対し弱含み に推移。ドル建てで取引される商品の割安感につながり、金が買われた。また、米長期金利が低下し、金利を産まない資産である金の投資妙味が高まり、金を支えた。 ロシア国防省は8日、戦車部隊がウクライナ東部ドニプロペトロウスク州を地上攻撃していると主張した。ロシア大統領府によると「緩衝地帯」の創設を名目としているという。 地政学的リスクへの警戒感が強まる中、安全資産としての金の追い風となったとの見方があった。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米中通商協議の進展期待を手掛かりとした買いに、3営業日続伸した。
米中両政府はこの日、ロンドンで約1カ月ぶりに閣僚級の貿易交渉を再開。米メディア によると、協議は10日まで続く見込みとされ、結果に注目が集まる中で、買いがやや優勢となった。今回は関税措置のほか、中国のレアアース(希土類)、米国の半導体の輸出 規制の扱いが主要テーマとなる可能性があり、これらの分野で歩み寄りがみられるかどうかが焦点。交渉が進展すれば、エネルギー需要の拡大を後押しするとの思惑から、相場は朝方にかけてじりじりと上昇した。
ただ、65ドル台に乗せた場面では、一時利益確定の売りが台頭。5月の中国の貿易収支統計が低調な内容だったことなどが嫌気されたもよう。しかし、その後は再び上向きに転じ、引けまでプラス圏を維持した。ロイターによると、5月の石油輸出国機構(O PEC)の産油量は、イラクの減産幅拡大などで計画を下回り、供給増加懸念が和らいだ。 また、外国為替市場でドルがユーロに対して弱含みに推移したことも、ドル建て商品の割安感につながった。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
ドル/円 NY終値 144.58/144.
63
始値 144.17
高値 144.77
安値 144.17
ユーロ/ドル NY終値 1.1420/1.14
22
始値 1.1419
高値 1.1430
安値 1.1387
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 97*01.0 4.9408
0 %
前営業日終値 96*22.0 4.9630
0 %
10年債(指標銘柄) 17時05分 98*06.5 4.4758
0 %
前営業日終値 97*30.0 4.5100
0 %
5年債(指標銘柄) 17時05分 99*20.2 4.0821
5 %
前営業日終値 99*14.0 4.1260
0 %
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*24.2 4.0034
5 %
前営業日終値 99*21.8 4.0430
8 %
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 42761.76 -1.11 0.00
前営業日終値 42762.87
ナスダック総合 19591.24 +61.28 +0.31
前営業日終値 19529.95
S&P総合500種 6005.88 +5.52 +0.09
前営業日終値 6000.36
COMEX金 8月限 3354.9 +8.3
前営業日終値 3346.6
COMEX銀 7月限 3679.6 +65.7
前営業日終値 3613.9
北海ブレント 8月限 67.04 +0.57
前営業日終値 66.47
米WTI先物 7月限 65.29 +0.71
前営業日終値 64.58
CRB商品指数 301.5103 +0.6217
前営業日終値 300.8886