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多様性を重んじる企業の方が「儲かる」!?...大量のデータが示す「ビジネス成功」のカギ

WHY DIVERSITY IS A BUSINESS STRENGTH

2025年6月12日(木)13時54分
ハリー・コーカー(米メリーランド州商務長官)
米メリーランド州商務長官ハリー・コーカー

多様性拡大に時間の猶予はないと主張するコーカー MICHAEL BROCHSTEIN-SOPA IMAGES-REUTERS

<性別や人種の多様性は経済を強くし、企業の競争力を高める──これは今や複数の研究やデータから明らかになっている「事実」だ>

私が米国防総省と情報機関で40年以上にわたって勤務してきたなかで、最も有能だったのは、スキル、視点、経歴、経験など、あらゆる面で多様性に富んでいたチームだ。実際、多様で包摂的な職場がそうでない場合より優れていることは、実に多くの調査に表れている。

多様なチームは87%の確率で、よりよい意思決定を行っている。経営陣が多様な企業は収益が19%高く、新しい市場を開拓する可能性も70%高い。民族的な多様性で上位25%に入る企業は下位25%の企業に比べて、利益面で36%優れている。


多様性への取り組みは経済を強くし、競争力を高める。性別や人種の境界を超えた機会の拡大は「そうなればいい」という程度のテーマではなく、経済にとって必須の課題なのだ。

メリーランド州は先頃、少数派市民の経営する企業が全米で最も成功している州と認められた。これは少数派が経営する企業の割合、それらの企業での給与水準の高さ、企業が活動している期間の長さが評価された結果だ。私は心から誇りに思う。

メリーランド州の多様性は、その指導層にも表れている。トップに立つのは全米で現職唯一の黒人知事であるウェス・ムーアと、アメリカ初の南アジア系の副知事アルナ・ミラーだ。

だが多様な人々が先頭に立つことは、本当の取り組みの出発点でしかない。多様性がもたらす経済的な恩恵を生かすには、経済を押し上げるための実践的な手段が必要だ。

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