仏製造業PMI、5月改定値は49.8へ上昇 転換点近い可能性

S&Pグローバルがまとめた5月のフランスのHCOB製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値は49.8と、好不況の分かれ目となる50をほぼ回復した。写真は、フランスのダンケルク港にある工場。2023年1月、ダンケルクで撮影(2025年 ロイター/Yves Herman)
[パリ 2日 ロイター] - S&Pグローバルがまとめた5月のフランスのHCOB製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値は49.8と、好不況の分かれ目となる50をほぼ回復した。生産が2カ月連続で増加したことが寄与した。
速報値の49.5から上方修正され、4月の48.7から上昇した。生産の伸びが加速したほか、景況感を表す指数が39カ月ぶりの高水準を記録した。
ハンブルク商業銀行のエコノミスト、ヨナス・フェルドフーゼン氏は「フランスの製造業2023年以降縮小が続いている。これはHCOB製造業PMIでも明らかで、同指数は23年2月以降、一貫して50を下回っている。しかし、転換点が近づいている可能性がある」と述べた。
同氏は欧州の国防費増額計画や欧州中央銀行(ECB)による利下げが仏製造業の追い風になる可能性があるとの見方を示した。
「世界的な貿易摩擦から生じる不確実性が引き続き非関税障壁として作用し、今後数カ月は製造業の重しとなる公算が大きい」と分析。「同時に、欧州の再軍備計画、ECBによる緩和的な金融政策、EUレベルでの規制負担軽減に向けた取り組みが貿易制限の悪影響を相殺する可能性がある」と述べた。