「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プーチンに、米共和党幹部やMAGA派にも対ロ強硬論が台頭
MAGA Divided as Trump Turns on Putin

ウクライナに開戦後最大の攻撃を加えた翌日、財界リーダーとの会合に出るプーチン(5月26日、クレムリン)Sputnik/Grigory Sysoev/Pool via REUTERS
<「プーチンはウクライナ全土を手に入れるため、誰もが匙を投げるのを待っている」「力でわからせる必要がある」との声も>
大統領選中から「ウクライナ戦争を1日で終結させる」と宣言してきたドナルド・トランプ。1月に米大統領に返り咲いて以降、この方針が共和党の外交政策を形作ってきた。だが今、トランプはロシアのウラジーミル・プーチン大統領にしびれを切らしつつあるようだ。
トランプとプーチンが2時間の電話会談を行い、ウクライナとロシアの代表団が2022年2月のウクライナ侵攻以来初めての直接交渉をトルコで行い、1000人の捕虜交換を行ったタイミングで、ロシアが開戦以来で最大規模の空爆をウクライナに行った。首都キーウを含む都市部にも多くの爆弾が降り注いだ。
攻撃が特に激しかった5月25日、トランプはプーチンに対するこれまでの融和的な姿勢を一変させ、「プーチンのしていることは気に入らない」「彼は大勢の人を殺している」と非難。「プーチンにいったい何が起きたのか、さっぱり分からない」「正気ではない」と述べた。
弁護しがたいプーチンの行動を目の当たりにして、揺らいでいるのはトランプだけでない。共和党議員や、「MAGA(アメリカを再び偉大に)」運動の支持者たちの間でも意見が分かれていている。
ロシアに対する制裁強化やウクライナへの軍事支援の拡大を求める声がある一方で、トランプが誤った方向に導かれている、あるいは十分な情報を得られていないと主張する声もある。