ニュース速報

ビジネス

ドル109円前半で上値重い、米政治リスクを警戒

2017年08月18日(金)15時30分

 8月18日、午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル安/円高の109.32/34円だった。株安を眺めて上値の重い展開が続いた。写真は都内で2011年8月撮影(2017年 ロイター/Yuriko Nakao)

[東京 18日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル安/円高の109.32/34円だった。株安を眺めて上値の重い展開が続いた。前日海外市場で、スペイン東部バルセロナの車両突入事件で死者が出たとの報道や、ゲーリー・コーン米国家経済会議(NEC)委員長の辞任観測などを受けてドルが売られた流れを引き継いだ。

午後のドル/円は、朝方からの上値の重さが継続。一時109.27円に下落した。

市場では、米政権の混乱について「税制改革やインフラ投資といった政策への期待が後退しやすく、尾を引きそう」(邦銀)との指摘があり、海外時間に蒸し返されるリスクが警戒されているようだ。

東京市場では、国内勢によるドル買いや日銀による株買いへの思惑を支えに109円台に踏みとどまったとされるが、海外時間にはこうした支えが後退するとみられており、「109円割れを試すかもしれない」(別の国内金融機関)との声が聞かれた。

コーンNEC委員長の辞任説は否定されたが、政権運営の先行き不透明感への市場の警戒感は払しょくされていない。

市場では、トランプ米大統領は本音では白人至上主義を支持していると理解されており、「大統領自身が米国の分断を助長する結果を招いている」(FXプライムbyGMO常務取締役、上田眞理人氏)との意見も聞かれる。

結果的に「ドルの上値を追うような地合いではない」(証券会社)という。

トランプ大統領は、米企業首脳らで構成する2つの大統領助言組織「製造業評議会」と「戦略・政策フォーラム」を解散したばかり。バージニア州シャーロッツビルで発生した白人至上主義団体と反対派の衝突を巡るトランプ氏の発言を受け、メンバーの辞任が相次いでいた。

午前のドル/円は一時109.30円まで下落し、前日の海外市場の安値109.45円を下抜けた。ただ、その後は仲値公示にかけて買い戻された。事実上の五・十日となる18日は、国内実需勢ではドル買いが勝っていたとされる。

       ドル/円  ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 109.32/34 1.1731/35 128.27/31

午前9時現在 109.33/35 1.1713/17 128.08/12

NY午後5時 109.56/58 1.1723/25 128.43/47

(為替マーケットチーム)

ロイター
Copyright (C) 2017 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ECB、急激で大幅な利下げの必要ない=オーストリア

ビジネス

ECB、年内利下げ可能 政策決定方法は再考すべき=

ビジネス

訂正(7日配信記事)-英アストラゼネカが新型コロナ

ワールド

EXCLUSIVE-チャットGPTなどAIモデルで
MAGAZINE
特集:岸田のホンネ
特集:岸田のホンネ
2024年5月14日号(5/ 8発売)

金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口......岸田首相がニューズウィーク単独取材で語った「次の日本」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    「自然は残酷だ...」動物園でクマがカモの親子を捕食...止めようと叫ぶ子どもたち

  • 3

    いま買うべきは日本株か、アメリカ株か? 4つの「グラフ」から強さを比べる

  • 4

    迫り来る「巨大竜巻」から逃げる家族が奇跡的に救出…

  • 5

    習近平が5年ぶり欧州訪問も「地政学的な緊張」は増す…

  • 6

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    イギリスの不法入国者「ルワンダ強制移送計画」に非…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 4

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 5

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 6

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 7

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 8

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 9

    サプリ常用は要注意、健康的な睡眠を助ける「就寝前…

  • 10

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 9

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 10

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中