コラム

トランプ政権がもくろむCIAの大リストラ、次に起きることは?

2025年02月26日(水)14時50分
CIA

ラトクリフ長官(写真中央)がCIA全職員を対象に早期退職を募った狙いとは KENT NISHIMURA/GETTY IMAGES

<CIAもトランプ政権による政府大リストラの射程に入った。しかし情報機関が支配者によって骨抜きにされれば、客観的で独立した分析を示す役割は誰が果たすのか>

トランプ米政権のCIAが2月4日、全職員を対象に早期退職を募る通知を発した。ラトクリフCIA長官の判断により、起業家のイーロン・マスクが新政権で主導するキャンペーンにCIAも参加して、トランプ大統領支持派が言うところの「政府の無駄と詐欺と権限乱用」(おおむね妄想にすぎないのだが)を撲滅することを目指すとのことだ。

しかし、今回の早期退職募集には、これとは別の裏の動機が、もっと深刻な危険をはらんだ狙いが潜んでいる。


CIAは1947年の創設以来、歴代のアメリカ大統領をたびたびいら立たせてきた。CIAをコントロールしたり、孤立させたり、黙殺したり、骨抜きにしたりしようとした大統領も多かった。

歴代大統領が不満を抱いたのも不思議でない。CIAなどの情報機関は、大統領の見解に追従するのではなく、客観的で独立した分析を示すことが役割だ。

CIAのモットーは、同本部の壁面に刻まれているとおり、「そして汝(なんじ)らは真理を知り、真理は汝らを自由にする」というものである。問題は、真理がしばしば相対的だったり不明確だったりして、CIAが考える真実がしばしば大統領の思想や政策とぶつかり合うことだ。

CIA職員の大幅削減を目指す動きには、3つの大きな目的がある。連邦政府の規模を半分にすること、いわゆる「ディープステート(影の政府)」を解体すること、そしてCIAを大統領に隷属させることだ。

プロフィール

グレン・カール

GLENN CARLE 元CIA諜報員。約20年間にわたり世界各地での諜報・工作活動に関わり、後に米国家情報会議情報分析次官として米政府のテロ分析責任者を務めた

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

トランプ大統領、来週にも次期FRB議長決定とベセン

ビジネス

内需を成長原動力にと習主席、先進的製造業の発展促進

ワールド

英政府、中国の大使館移設計画を承認 首相の訪中控え

ワールド

タイ中銀、外貨収入の本国送金規制を緩和 バーツ高対
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:「外国人問題」徹底研究
特集:「外国人問題」徹底研究
2026年1月27日号(1/20発売)

日本の「外国人問題」は事実か錯誤か? 7つの争点を国際比較で大激論

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国のインフラ建設にインドが反発、ヒマラヤ奥地で国境問題が再燃
  • 2
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の船が明かす、古代の人々の「超技術」
  • 3
    「耳の中に何かいる...」海で男性の耳に「まさかの生物」が侵入、恐怖映像と「意外な対処法」がSNSで話題に
  • 4
    「死ぬところだった...」旅行先で現地の子供に「超危…
  • 5
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 6
    中国、欧米の一流メディアになりすまして大規模な影…
  • 7
    【総選挙予測:自民は圧勝せず】立憲・公明連合は投…
  • 8
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世…
  • 9
    AIがついに人類に「牙をむいた」...中国系組織の「サ…
  • 10
    トランプが「NATOのアメリカ離れ」を加速させている…
  • 1
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率が低い」のはどこ?
  • 2
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世界一危険」な理由
  • 3
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試掘の重要性 日本発の希少資源採取技術は他にも
  • 4
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 5
    正気を失った?──トランプ、エプスタイン疑惑につい…
  • 6
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の…
  • 7
    「高額すぎる...」ポケモンとレゴのコラボ商品に広が…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 9
    世界最大の埋蔵量でも「儲からない」? 米石油大手が…
  • 10
    中国のインフラ建設にインドが反発、ヒマラヤ奥地で…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story