コラム

プーチン、レオ様を「本物の男」と絶賛

2010年11月26日(金)16時29分

 ロシアのウラジーミル・プーチン首相の動物好きと(狩りも含む)冒険好きは有名だ。だから、骨に夢中になるワンコのようにレオナルド・ディカプリオに執着したとしても驚きではない。

 ディカプリオは今週、サンクトペテルブルクで開かれた世界トラ保護会議(トラサミット)に出席したが、ロシアに辿り着くまでが波乱万丈の旅だった。最初の飛行機はエンジンの故障で緊急着陸。2機目の飛行機は、強風のため予定外の燃料補給が必要になりフィンランドに途中着陸した。

 英テレグラフ紙によると、ステージ上からディカプリオの姿を見つけたプーチンは、これらのアクシデントを乗り越えてやってきたディカプリオこそ「本物の男」だとスピーチ原稿そっちのけで絶賛。「神経の弱い人間なら、何か悪いことが起こる兆候だと思ってキャンセルしていただろう」と言った。

 ディカプリオもその好意は感じたようで、プーチンに自分の祖先はロシア人だと話した(ディカプリオが気味悪いほどレーニンに似ていることに気づいたロシアのある映画監督は、次に制作するSF映画に出てくる「生き返ったレーニン」役にディカプリオを起用することを考えているという)。

 もちろん、トラたちのことも忘れられたわけではない。世界自然保護基金(WWF)によると、トラサミットは22年までにトラの個体数を倍増させる目標を正式に採択。ディカプリオは私財から100万ドルを寄付した。

 ロシアは、野生の虎が今も生息する13カ国の1つ(残りの12カ国は、バングラデシュ、ブータン、ビルマ、カンボジア、中国、インド、インドネシア、ラオス、マレーシア、ネパール、タイ、ベトナム)。

──スザンヌ・マーケルソン
[米国東部時間2010年11月24日(水)17時14分更新]

Reprinted with permission from "FP Passport",26/11/2010. ©2010 by The Washington Post Company.

プロフィール

ForeignPolicy.com

国際政治学者サミュエル・ハンチントンらによって1970年に創刊された『フォーリン・ポリシー』は、国際政治、経済、思想を扱うアメリカの外交専門誌。発行元は、ワシントン・ポスト・ニューズウィーク・インタラクティブ傘下のスレート・グループ。『PASSPORT:外交エディター24時』は、ワシントンの編集部が手がける同誌オンライン版のオリジナル・ブログ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、月末前のポジション調整で

ビジネス

ECB、今春に「緩やかな」利下げ着手の可能性=仏中

ビジネス

米国株式市場=S&P続伸、第1四半期は5年ぶり高い

ワールド

原油先物1ドル超上昇、月間では3カ月連続高
MAGAZINE
特集:生存戦略としてのSDGs
特集:生存戦略としてのSDGs
2024年4月 2日号(3/26発売)

サステナビリティーの大海に飛び込んだ企業の勝算を、経営学者・入山章栄とSDGs専門家・蟹江憲史が読み解く

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    「私はさそり座の女...」アン・ハサウェイのゴスな大胆衣装にネット震撼

  • 3

    貨物船が衝突し崩れ落ちる橋...水中に落下する車...カメラが捉えた「崩壊の瞬間」

  • 4

    日本で車椅子利用者バッシングや悪質クレーマー呼ば…

  • 5

    「妄想の塊で常識に欠ける」と人事的に大不評、Z世代…

  • 6

    ロシア軍はもう「クリミア大橋を使っていない」──ウ…

  • 7

    大谷翔平の今後の課題は「英語とカネ」

  • 8

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 9

    エスカレートする中国の暴力──放水銃を浴びる船内映…

  • 10

    「こんなに速いのか...」白昼の街でクマ激走の恐怖 …

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 3

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴を上げ、「見た瞬間に鳥肌!」 奇妙な生物の正体は?

  • 4

    ウクライナは本当に負けてる? ロシアが犯した「5つ…

  • 5

    日本製鉄によるUSスチールの買収・子会社化...「待っ…

  • 6

    少女の髪の毛をかき分けると...もぞもぞ蠢く「シラミ…

  • 7

    ウクライナ軍のドローンに悩むロシア黒海艦隊...「地…

  • 8

    「私はさそり座の女...」アン・ハサウェイのゴスな大…

  • 9

    左右に並ぶ「2つの顔」を持って生まれたネコが注目を…

  • 10

    ロシア空軍が「自国の村」コジンカを爆撃...ウクライ…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    「朝の歯磨きは食前・食後?」 歯科医師・医師が教える毎日の正しい歯磨き習慣で腸内環境も改善する

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    アウディーイウカ近郊の「地雷原」に突っ込んだロシ…

  • 5

    大阪万博、大丈夫?予言されていた「荒井注」化の危…

  • 6

    「完璧に保存された」ローマ文明以前の古代の墓...発…

  • 7

    野原に逃げ出す兵士たち、「鉄くず」と化す装甲車...…

  • 8

    『オッペンハイマー』日本配給を見送った老舗大手の…

  • 9

    健康長寿の一歩、年齢に負けず「長く続けるための」…

  • 10

    何をした? ロバート・ダウニー・Jr、助演男優賞で初…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story