最新記事

2020米大統領選

米大統領選・民主指名争い、バイデンがミシガンなど制し躍進 サンダース苦境

2020年3月11日(水)18時33分

米大統領選に向けて民主党の候補を選ぶ予備選と党員集会が10日、6州で行われれジョー・バイデン前副大統領が指名獲得に大きく前進した。写真は10夜、演説するバイデン氏。(2020年 ロイター/Brendan McDermid)

11月の米大統領選に向けて、野党民主党の候補を選ぶ予備選と党員集会が10日、6州で行われた。中道派のジョー・バイデン前副大統領は大票田の中西部ミシガン州含む4州を制し、指名獲得に大きく前進した。

一方、3日のスーパーチューズデーでバイデン氏にリードを許した左派のバーニー・サンダース上院議員は、形勢逆転とはならずかなり厳しい状況に追い込まれた。

フィラデルフィアで演説したバイデン氏は、サンダース氏と同氏の支持者の熱意に謝意を示して党内の結束を訴え、「我々には共通の目標がある。我々はともにドナルド・トランプ氏を打ち負かす」と表明した。

サンダース氏は10日夜、地元バーモント州に戻った。声明の発表は予定していない。

ミシガン州では、集計率91%時点でバイデン氏の得票率が53%と、サンダース氏の37%を大きく上回っている。バイデン氏は、ミズーリ州で60%、ミシシッピ州では81%を得票した。

ワシントン州は、3分の2強の集計が終わった段階で両者互角の戦い。ノースダコタ州は、集計率約63%時点でサンダース氏がわずかにリードしている。

エジソン・リサーチによると、11日早朝の段階で、バイデン氏は獲得代議員を134人上積みして762人とした。サンダース氏は74人増えて619人。指名獲得には1991人を獲得する必要がある。

バイデン氏支持広がる

バイデン、サンダース両氏とも、新型コロナウイルスに関するガイダンスに従い10日夜の集会を取りやめた。

党内ではバイデン支持の機運が高まっている。2つの特別政治活動委員会(スーパーPAC)がバイデン氏への加勢に乗り出したほか、2月に指名争いから撤退した実業家のアンドリュー・ヤン氏がバイデン氏への支持を表明した。

バイデン氏は、女性やアフリカ系米国人、45歳以上の有権者など幅広い層から支持を獲得した。

一方、サンダース氏の最も影響力のある支持者の一人であるオカシオコルテス下院議員は、今回の結果を重く受け止め「今夜はつらい夜だ」とソーシャルメディアでコメントした。

*内容を追加しました。

[デトロイト 10日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・WHO「新型コロナウイルス、パンデミックの脅威に現実味 なお制御可能」
・スペイン、新型コロナウイルス感染者999人に急増 政府が近く支援策発表へ
・韓国、8日の新型コロナウイルス感染は過去10日で最低に 文在寅「安定局面に入る可能性」


20200317issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年3月17日号(3月10日発売)は「感染症 vs 人類」特集。ペスト、スペイン風邪、エボラ出血熱......。「見えない敵」との戦いの歴史に学ぶ新型コロナウイルスへの対処法。世界は、日本は、いま何をすべきか。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ロシア、軍事演習で戦術核兵器の使用練習へ 西側の挑

ワールド

再送イスラエル軍、ラファ空爆 住民に避難要請の数時

ワールド

再送イスラエル軍、ラファ空爆 住民に避難要請の数時

ワールド

欧州首脳、中国に貿易均衡と対ロ影響力行使求める 習
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが...... 今も厳しい差別、雇用許可制20年目の韓国

  • 2

    翼が生えた「天使」のような形に、トゲだらけの体表...奇妙な姿の超希少カスザメを発見、100年ぶり研究再開

  • 3

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 4

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 5

    「真の脅威」は中国の大きすぎる「その野心」

  • 6

    ウクライナがモスクワの空港で「放火」工作を実行す…

  • 7

    メーガン妃を熱心に売り込むヘンリー王子の「マネー…

  • 8

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 9

    こ、この顔は...コートニー・カーダシアンの息子、元…

  • 10

    単独取材:岸田首相、本誌に語ったGDP「4位転落」日…

  • 1

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 5

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 6

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 7

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 10

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中