「賄賂なし=役人やる気なし」地獄の日常
2010年9月30日(木)16時59分
人々が規則を曲げて役人に袖の下を渡すにはそれなりの理由がある。「汚職は単なる法律上の問題ではない。精神上の問題であり、日常の習慣の問題であり、この国の市民全てが許容範囲内だと考える行動の問題でもある」という、政治ニュースサイト、Polit.ruの記事の指摘は正しい。
例えば母と同じような面倒な手続きに直面した人が「金をもっと払えばそれほど列に並はずに済むし手続きが迅速に進む」と言われたら、多くの場合大喜びするはずだ。
昔はロシアの役所にも人間らしい面があった。決して愛想はよくなかったが、何ルーブルか余計に払えば、そっと近道を通してくれた。
だが、そうした官僚制度の末端での「規則違反」を減らすための政策により、迅速で能率のよい手続きは期待できなくなくなった。
待合室はひどく混雑し、いつまで待てば手続きが完了するかも分からない。手続き自体、以前にも増して複雑になってしまった。そんなジョージ・オーウェルの小説を思わせる状況に、ロシアの一般市民は追い込まれている。
(GlobalPost.com特約)
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