コラム

中国人に同化されゆく内モンゴルの問題は内政問題にあらず

2020年09月23日(水)14時00分

私は7月末から署名サイトを立ち上げて、モンゴル人の母語教育は維持すべきだ、と賛同を呼び掛けた。これまでに3640人以上の署名と賛同を得ることができたが、およそ半分は同胞の国、モンゴル国からだった。これは、モンゴル国の国民は、同胞たちが固有の言語を失って、中国人に同化されていくことに強烈な反感を抱いていることを物語っている。ちなみに日本人の声援も4分の1強を占めていたので、先進国らしい行動だと、モンゴル人たちは理解している。

スターリンによる民族の定義に賛成していたレーニンは、1つの名言を残している。「他民族を抑圧する者は、自身も自由になれない」──チベット人とウイグル人、それにモンゴル人を抑圧する中国政府の統治下であえぐ中国人、すなわち漢民族も、幸せとは言い難い。

国際社会は、国際問題でもある中国の民族問題に、正面から対処する時期に来ているのだ。

<2020年9月29日号掲載>

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プロフィール

楊海英

(Yang Hai-ying)静岡大学教授。モンゴル名オーノス・チョクト(日本名は大野旭)。南モンゴル(中国内モンゴル自治州)出身。編著に『フロンティアと国際社会の中国文化大革命』など <筆者の過去記事一覧はこちら

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