コラム

「フラリーマン」の取扱説明書

2019年07月18日(木)16時45分

これだから早く帰りたくないんだ Yagi-Studio-iStock.

<働き方改革で長時間労働が是正された結果、退勤後もすぐに家に帰らずひたすら時間を浪費する「フラリーマン」が増えている。彼らをやる気にさせるコツは>

「私の夫がフラリーマンだったら最悪。退社後フラフラして帰ってきたら、ボロクソに言う」

ある主婦からこのように言われ、私はこうアドバイスしました。「頭ごなしに言うのは、絶対によくありません」と。

働き方改革によって長時間労働が是正され、急増しているのが「フラリーマン」です。

まっすぐ帰宅するのがいやで、会社を後にしてからフラフラと街をさまよう会社員を、最近は「フラリーマン」と呼ぶようです(ほとんどが男性)。

ゆっくり「立ち読み」できるカフェ付き書店や、「ちょい飲み」のメニューを用意する居酒屋が増えるほど、フラリーマンの潜在マーケットは拡大しています。

なぜまっすぐ帰宅しないのか?

フラリーマンが、まっすぐに帰宅しない理由はいろいろあるでしょう。代表的な理由が「一人の時間が欲しい」「家事を手伝うのが面倒」と言われていますが、前者の「一人の時間が欲しい」は後付けです。残業がたくさんあった時代もフラフラしていたのか、というとそうではないからです。

長時間労働の時代からフラフラしている人が多かったのなら「フラリーマン」などという新しい呼称が、最近できるはずがない。

理由はひとつだけ。後者の「家事を手伝うのが面倒」だから、です。

小さい子どもがいる家庭なら、なおさらでしょう。世の中の奥様は意識していないかもしれませんが、ご主人が家にいるとあれこれ用を頼みたくなりませんか。それは、「人の顔を見ると用事を思い出す」という心理現象です。

このような心理があるから、営業マンは外へ出てお客様のところへ足しげく顔を出すのです。顔を見せると「いいところに来てくださいました」と、思い出したように声を掛けてくれます。顔を見なければ思い出さないことを、お客様は無意識に思い出してくださるのです(成約の確率が高まる、ということです)。

反対に、営業が社内にいると、いろいろな人から声が掛かります。「ちょっと時間とってくれないか。意見を聞きたいことがある」「午後から時間あるかな? 商品開発の会議があるんだけど、君も出たほうがいいと思って」等々。

プロフィール

横山信弘

アタックス・セールス・アソシエイツ代表取締役社長。現場に入り、目標を絶対達成させるコンサルタント。全国でネット中継するモンスター朝会「絶対達成社長の会」発起人。「横山信弘のメルマガ草創花伝」は3.5万人の企業経営者、管理者が購読する。『絶対達成マインドのつくり方』『営業目標を絶対達成する』『絶対達成バイブル』など「絶対達成」シリーズの著者。著書はすべて、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。年間100回以上の講演、セミナーをこなす。ロジカルな技術、メソッドを激しく情熱的に伝えるセミナーパフォーマンスが最大の売り。最新刊は『自分を強くする』。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

英インフレ率目標の維持、労働市場の緩みが鍵=ハスケ

ワールド

ガザ病院敷地内から数百人の遺体、国連当局者「恐怖を

ワールド

ウクライナ、海外在住男性への領事サービス停止 徴兵

ワールド

スパイ容疑で極右政党議員スタッフ逮捕 独検察 中国
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 2

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の「爆弾発言」が怖すぎる

  • 3

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバイを襲った大洪水の爪痕

  • 4

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    冥王星の地表にある「巨大なハート」...科学者を悩ま…

  • 9

    「なんという爆発...」ウクライナの大規模ドローン攻…

  • 10

    ネット時代の子供の間で広がっている「ポップコーン…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 7

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 10

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story