
ベトナムと日本人
べトナム発ホラーゲームは「静かに怖い」 ─ 日本のゲーム好きがまだ知らないベトナム発「民俗ホラーゲーム」
フォーでも製造業でもない、次に来るのは「ベトナム製ゲーム」
日本で「ベトナム」と聞いて思い浮かぶのは、フォーやコーヒー、あるいは急成長する製造業かもしれない。しかし、もしあなたが少しマニアックなゲーム好きなら、いま注目すべきはベトナム発インディーゲームだ。Steamで話題になったホラーゲーム『The Death | Thần Trùng』と『The Scourge | Tai Ương』である。
この2作品は、単なるホラーゲームではない。ベトナムの民間信仰・祖霊観・死生観を、そのままゲーム体験に落とし込んだ作品だ。日本人が『零』シリーズや『SIREN』に感じた"湿度のある恐怖"に近いが、もっとベトナムの生活に近く、もっと生々しい。
生活そのものが恐怖になる:The Death | Thần Trùng

『The Death | Thần Trùng』は、ハノイの古いアパートを舞台にした一人称ホラーだ。だが恐怖の源はゾンビでも怪物でもない。ベトナムで語られる「死者の魂」「供養」「家族の因縁」。本当に怖くて、アパートの廊下進めません。。。
ベトナムの部屋の構造、家具配置、祭壇、トイレなど細部までリアルで、ベトナム人の生活そのものだ。まずそれが怖い。そしてベトナムでは、死は「終わり」ではない。死んでも家族の中に存在し続ける。この価値観も、日本人にもかなり恐怖だ
社会そのものが恐怖になる:The Scourge | Tai Ương

一方、『The Scourge | Tai Ương』は、より社会的ホラーに寄っている。"災厄"というタイトル通り、これは個人の恐怖ではなく、社会全体に広がる不安を描く。都市化、伝統崩壊、そして説明できない不幸。舞台はベトナム南部のホーチミン市だ。
ベトナムは今、急激な経済成長の途中にある。高層ビルと精霊信仰が同時に存在する国だ。その矛盾が、そのままゲーム世界になっている。
「珍しいベトナム製」ではない。アジア物語輸出の新フェーズ
ここで重要なのは、これらが「ベトナム製だから珍しい」のではないという点だ。
むしろ逆だ。これらベトナム製ゲームは、東南アジア各国が、自分たちの神話や文化を"輸出可能な物語"に変え始めたという象徴なのだ。
日本も妖怪、神道、学校怪談、終末観をとても得意としていた。
それが今は、ベトナムがそのフェーズに入りつつあるのである。
近未来と祖先崇拝が共存する国
私はベトナムで、働いていてしよく感じることがある。それはこの国は「近未来」と「祖先崇拝」が同時に存在していて、サイバーパンクの世界観にとても近いと感じる。
日本のゲーム好きへ:この2作はぜひプレイしてみて
もしあなたが、
・アジア文化が好き
・インディーゲームが好き
・和風ホラーの空気感が好き
なら、この2作品は必ず刺さる。
Steamのランキングを見る前に、まずやってみてほしい。日本語字幕もしっかりあります。このゲームには、まだ多くの日本人が知らない「もう一つのアジアの恐怖」がある。そしてそれは、驚くほどリアルだ。

- ヨシヒロミウラ
ベトナム在住。北海道出身。武蔵大学経済学部経営学科卒業。専攻はマーケティング。2017年に国際交流基金日本語パートナーズとしてハノイに派遣。ベトナムの人々と文化に魅了され現在まで在住。現在進行形のベトナム事情を執筆。日本製品輸入商社と人材紹介会社に勤務。個人ブログ: ベトナムとカンボジアと日本人 X: @ihiro_x Threads: ihiro_x
























































