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ドイツの街角から

シュピッツナーゲル典子|ドイツ

ドイツ・コロナ禍のトレンド「ペットを飼う」に待ったをかける動物保護施設の切実な訴え

ドイツでペットを入手する際によく利用されるのはティアハイムだ。ここで保護されている動物は、予防注射や病気の対応も完璧になされているので安心だ。

その一方で、ティアハイムには子犬が不足しているのも事実。入手したい犬種が見つからない場合もある。そこで手っ取り早く、通販を利用する人が多い。

全ての通販が違法という訳ではないが、そこには大きな落とし穴もある。欧州におけるペット通販は、麻薬と武器に続く大きな収入源だと報告されている。重要があれば供給するビジネスは繁盛する。 欧州市場に向けて商業ベースの動物交配・繁殖を行うブリーダーは、東欧に多数存在する。

2020年1月から10月の統計では、東欧からの輸送トラックを国境で検問中、80車から800匹のペットが病気や偽造書類の違法で摘発されたという。水もエサも与えないまま長時間トラックに閉じこまれた犬や猫は狭いケージに閉じこまれていた。特に目立ったのは生後間もない子犬だった。これは氷山の一角で違法搬送の正確な数字は判明していない。

ティアハイム・ベルクハイムを取材した報道番組のレポーターは、東欧スロバキアに拠点を置くペット通販サイトに問い合わせをした。それによると、同サイト経営者は「犬の親はここにはいない(つまり出生元は不明)。生後9週間で自社へ搬送されてくるので決して違法ではない」と、強調した。

ちなみに動物保護法により、子犬は生後8週過ぎないと母犬から引き離すことはできない。また生後15週間以下の犬の輸入は禁止されている。そして売買には狂犬病予防接種証明書の提示も求められる。

時間もお金もかかる犬と付き合うには

Profile

著者プロフィール
シュピッツナーゲル典子

ドイツ在住。国際ジャーナリスト協会会員。執筆テーマはビジネス、社会問題、医療、書籍業界、観光など。市場調査やコーディネートガイドとしても活動中。欧州住まいは人生の半分以上になった。夫の海外派遣で4年間家族と滞在したチェコ・プラハでは、コンサートとオベラに明け暮れた。長年ドイツ社会にどっぷり浸かっているためか、ドイツ人の視点で日本を観察しがち。一市民としての目線で見える日常をお伝えします。

Twitter: @spnoriko

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