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ルワンダのカリツィエから見る日々のあれこれ

大江里佳|ルワンダ

ルワンダに嫁ぐということ②

(筆者友人撮影)

前回はイスラム教としての結婚契約を経て、ルワンダ人ムスリムの妻となったお話をしたが、今回はそれに続いてルワンダ人である彼とここルワンダで婚姻をするために何をしなければいけなかったのか、考えさせられたことなど話したい思う。

まずは役所への婚姻手続きに関して。

日本では婚姻の手続きというと婚姻届の提出となるが、この婚姻届は基本的には自分たちで必要事項を事前に記入して、提出することでその受理された日が婚姻成立した日となる。

それに対してルワンダでは、婚姻をするためにはその誓い(宣言)を役所で行うことで成立されるのだが、その日を事前に予約する必要がある。基本的にこの婚姻の誓いの日は週に1日と決まっており、木曜。その日に予約したカップルが集められて合同で行われる。協力隊の時に役所が配属先であったため、木曜日はこの婚姻の誓いに集まった人たちでいっぱいだったのを思い出す。当時は自分がいつかこの場所に当事者として訪れるとは思ってもいなかった。

そしてこの婚姻の誓いの日の予約なのだが、これまたルールがあり、誓いの日の21日前にその予約を完了しなければ行けない。ということは最低でも予約しにきた日の21日より後に婚姻の日を設定できるのだが、ルワンダはコロナの影響で3月から数ヶ月ロックダウンで役所等のサービスも基本は在宅とオンラインのものに限られ、この婚姻手続きも一時停止となっていた。その影響で再開した後に、その間婚姻をする希望だった人たちが一気に押しかけ、あっという間に予約が埋まってしまったのだ。私たちは9月に予約を取りに行って、初めは今年中は難しいと言われたが、なんとかお願いをして12月に予約を取ってもらった。

この手続きに必要な書類としては、出生証明書と独身であることを示す証明書。私はルワンダの日本大使館にこれらの書類の発行をお願いして、さらにそれをルワンダ外務省に提出し、承認の署名と印をもらったものを役所に提出。彼はこれらの書類は通常は役所のオンラインサービスで申請して発行できるはずなのだが、本人の登録されているID(身分証明書)の名前に間違いがあり、これを修正してからの手続きとなったため、これにかなりの時間がかかってしまった。この話もまた機会があればお話しできたらと思う。

そして婚姻の誓いの当日。

コロナ禍で制限がかかり、私たちが予約した時間には5組のカップルが合同で行われた。一番のメーンのパートは、二人で前に出てルワンダ国旗の横で右手をあげてそれぞれが誓いの言葉を宣する場面。この誓いの言葉は、『婚姻に関連する法律を理解した上で、私はあなたが私の妻(夫)になることに同意します。そしてルワンダの法に従い私たちが誓約したように一緒に暮らしていきます。』という内容で、これが書かれた紙が用意されており、それを読みながら宣誓する。現地語と英語のものがあったが、私も他のカップルと同じように現地語の方で試みてなんとか無事間違えずに言い終えることができた。

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婚姻の宣誓(筆者友人撮影)

これが一番の目的の部分だが、その前に市長から婚姻に関する法律に関する説明が30分程行われた。またルワンダでは婚姻する際に、夫婦の財産を結婚後どのように取り扱うかということに関して決めることになっている。日本では基本的には特別な取り決めをしない限りは、夫婦別財産制になっており、結婚前に持っていたお金や後に得た財産はそれぞれのものと考えられているようだが、ルワンダでは以下の3つから二人で話し合って選択をする。

1)結婚前、後に限らず全てのお互いの財産を共同資産とする。

2)結婚後に得られた財産のみを共同資産とする。

3)夫婦それぞれの特有財産とし、共同資産としない。

どこでもそうだが、お金に関するトラブルはルワンダでも多いようで、この選択をする際には何度も確認の説明がされ、夫婦でしっかり話し合って決めるようにと言われた。またこの決定に対して夫婦それぞれ証人となる人に二人同席してもらい、署名をしてもらうことも決まりとなっている。

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署名をする様子(筆者友人撮影)

このような手続きをすべて終えて、やっと婚姻が成立し、晴れてルワンダで夫婦として認められた。この後、この婚姻証明書をルワンダの日本大使館に日本の婚姻届とともに提出することで、日本の方にも反映される流れとなっている。

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宣誓の後、5組の夫婦がそれぞれ市長から婚姻証明書をもらう様子(筆者友人撮影)

ルワンダではこの婚姻の宣誓の日と結婚式を別の日で行うことが多いようだが、私たちは同じ日に行い、さらに前回お話をしたイスラムの結婚契約インドアも一緒に実施した。当日は自分が今日やっと正式に彼の妻になるということを考える暇などないほどバタバタで、気づいたら1日が終わっていたという感じだった。

翌日、朝起きていつも通りの生活に戻り、食器を洗っている時に自分の指にしている結婚指輪を見て、やっと妻になった実感が湧いた。

 

Profile

著者プロフィール
大江里佳

ルワンダキガリ在住。2014年に青年海外協力隊としてルワンダに渡ったことをきっかけに、この土地の人々の生きる力と地域の強い結びつきに惹かれる。帰国後も単独でルワンダに戻り、現地NPO職員を経て、2019年に現地でコンサルタント・現地語通訳等の会社を起業。一方で、現地アフロダンスチームに所属しダンス活動も行う。2018年から同棲を始めたルワンダ人パートナーとの間に子を授かり、2020年に出産。現在家族3人でキガリで暮す。

Webサイト: URUZIGANGO
Twitter: @satoka817

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