
パリのカフェのテラスから〜 フランスって、ホントはこんなところです
今回の衆議院議員総選挙の在外投票とフランスのオンライン投票
今回の突然?の衆議院議員の解散・総選挙については、まさか・・ほんとにやるの?と思いながら、あっという間に決まって、この解散から総選挙までの期間が日本国内において、1月27日公示、2月8日投開票となっており、それでさえ、解散から総選挙までの期間が16日間と戦後最短と言われているようです。
在外投票の場合、手続きの都合上、日本での投開票日の前に行われることはいつものことで、それは理解できるのですが、それにしても急な話で、在仏日本大使館から在外投票のお知らせメールが届いたのが選挙公示になった1月27日と当日だったのですが、投票までの期間は日本国内よりもさらに短く、お知らせの届いた翌日1月28日から2月1日までということで、あまりに急な話で「そんなこと言われたって!!」と憤慨している人はさぞかし多いのではないか?と思われます。
そもそも、本当にこの解散・総選挙って大金をかけてまでする必用あるの?と思われる選挙に日本国内の国民ももちろんのこと、在外邦人は憤りを覚えている人が少なくないと思われます。
これでは投票しなくてもいいと言われているようなもの
現在、フランスに居住している日本人は36,000人前後と言われています。今回は選挙が公示になって、いきなり翌日から5日間というのは、あまりにも無茶な話。在外投票はパリにある日本大使館の一室で行われていますが、36,000人前後といわれる在仏邦人のうち、パリ広域圏に住んでいる人は11,000人ほどです。これには、子どもの数も含まれているし、このうちのどの程度が在外選挙登録をしているのかは公表している数字がないのでわかりませんが、全体の割合で考えれば、約3分の2の人々は、物理的にも、そうそう気軽にパリに来ることは難しい状況にあります。
そもそも、公示から投票までの期間があったとしても、スケジュールの都合をつけて、しかも高い交通費をかけて投票のためだけにパリに来ることは容易なことではありませんが、そのスケジュールの都合をつける期間までもが与えられない今回の選挙は、これでは、投票はしなくてもいいと言われているようなもので、広く国民の意を汲み取ろうとする姿勢は微塵も感じられません。
日本国民でありながら、勝手に国外に出ておいて、文句言うな!という声もあるかとは思いますが、海外に出ているからこそ日本の問題が客観的に見えたり、その不甲斐なさに、なんとかしなくちゃ!と思っている在外邦人は多いと思うのです。
私自身、日本国内に住んでいた頃よりも、ずっと政治に関心を持つようになり(フランスでは一般市民も日常で政治の話題で議論したりすることは多く、フランスでは政治に興味がなく、自分の意見もないなどということは良識が疑われる感じのところがあります)、問題意識も持つようになりました。
在外選挙登録もかなり時間がかかるもので・・
日本で在外選挙制度ができたのは1998年のことで、当時は比例代表選挙のみに投票できる形でスタートしました。その後、2006年の法改正により、選挙区選挙にも投票できるようになっています。
しかし、この在外選挙登録というのが、かなり原始的かつ時間がかかるもので、大使館に「在外選挙人名簿の登録申請書」を提出しなければならず、この提出した申請書類は外務省経由で日本で最後に居住していた市町村の役所に送られて、住民票が抜かれていることなどが確認された後、また外務省経由で戻ってくるもので、申請時には約2ヶ月間かかるとのことでしたが、私が受け取ったのは3ヶ月後のことでした。
また、この選挙人証というのが7枠ある用紙に投票に行くたびにスタンプを押してくれるようになっている、今の時代にこんなゴム印使ってるってあり?と思われるようなもので、7枠がすべて満杯になると、また申請しなおさなければならないもので、これ?先進国のお仕事ですか?と嫌みを言いたくなってしまうようなものでもあります。

フランスの在外選挙のオンライン投票
フランスでは在外選挙のオンライン投票について、実用化とテスト運用を繰り返しています。フランスは2012年に在外選挙(立法選挙)に対してインターネット投票を導入しました。これはフランス国外に住む有権者向けの制度設計でしたが、当初は限定的な運用でした。しかし、セキュリティ上の懸念や技術的な問題から2017年には一旦、中断されています。
ところが、2022年以降に新しいシステムが再導入され、在外選挙でのオンライン投票が再び可能になっています。新システムはフランス企業が開発し、ユーザーはメールとSNSで送られるコードを使って投票します。この仕組みは改善された一方、初期の運用時にはアクセスやコードの送信の問題が一部で発生し、フランスの裁判所が選挙結果を無効にした例もありますが、その後は同様の問題は報告されていないようです。
フランスの在外投票は安全性や監督体制を強化しながら、前進しているのです。
また、在外選挙のオンライン投票とは別にフランス国民が他者に代理投票を委任するプロキシ投票のデジタル化も進められています。専用アプリとデジタル(France Identité)を用いることで役場や警察署に出向かずに手続きが可能となっています。
ただし、フランスのオンライン投票制度は全選挙で一律に使えるわけではなく、対象・選挙区によって適用範囲が異なります。
とはいえ、オンライン投票への進歩は、日々進んでいるわけで、フランスにできることがなぜ?日本ではできない?と、この原始的な日本の選挙人登録証を見ながら思うのです。
在外投票に行ってみると・・
今回は、スケジュール上、かなり急なこともあるし、投票に来ている人は少ないだろうけど、こんな無茶な選挙をやることが許しがたい気持ちで、今回は是が非でも投票に行く!と、大使館に投票に出向いたところ、意外なことに、これまでこんなに投票所(パリの日本大使館の会議室の一室)でたくさんの人が投票しているのは、見たこともないほどの人が集まっていました。正直、いつもの投票ならば、お世話係の人の方が多いくらいで、待ち時間ゼロだったのですが、今回は、想像以上に人が来ていました。まあ、私が行った時間帯にたまたま大勢の人が来ていただけかもしれませんが、大使館の人に「すごい人ですね・・」と言ったら、「昨日も大勢の方々がお越しくださいました」とのことだったので、たしかに、いつもよりは多いようです。
考えてみれば、私自身も今まで以上に、「こんな選挙の仕方をするなんて許せない!是が非でも行ってやる!」と思って、投票に行ったわけで、そんな思いの人が多かったのかもしれません。
せめて、日本国内にお住まいの方々は、投票に是非、行ってほしいと願っています。

- RIKAママ
フランスって、どうしようもない・・と、日々感じながら、どこかに魅力も感じつつ生活している日本人女性。日本で約10年、フランスで17年勤務の後、現在フリー。フランス人とのハーフの娘(1人)を持つママ。東京都出身。
ブログ:「海外で暮らしてみれば・・」
Twitter:@OoieR























































