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スペインあれこれつまみ食い

松尾彩香|スペイン

スペインの20歳アルカラス ジョコビッチを破りウィンブルドン初優勝

©️YouTube -Carlos Alcaraz's FIRST Interview as Wimbledon Champion | Wimbledon 2023

16日に行われたテニスのウィンブルドン選手権男子シングル。5連覇を狙ったあのノバク・ジョコビッチ選手を破ったのは若干20歳。スペインのカルロス・アルカラス選手でした。

解散総選挙を目前に控えたアルカラス選手の母国スペインは連日選挙関連の報道で埋め尽くされていましたが、アルカラス選手の勝利を受けて現在ニュースは彼の話題で持ちきりとなっています。様々なスポーツ選手や著名人から祝福のメッセージが寄せられたアルカレス選手。「こんなに早くウィンブルドンのチャンピオンになれるなんて思っていなかった」と自身でも優勝の驚きを隠せないようです。またこの試合には歴史的瞬間を目撃するためにスペインの国王であるフェリペ6世も試合会場に足を運びました。試合後のスピーチでアルカラス選手はフェリペ国王に向けて「これまであなたは2度私の試合を観戦してくださり、その2度とも私が勝利を収めました。もっと私を応援しに来てくださればいいのに。」とジョークを飛ばし、国王を含む観客たちの笑いを誘いました。

 

テニス界の世代交代

14日の準決勝でロシアのメドベージェフ選手を相手にストレート勝ちを収めたアルカラス選手。試合後、ジョコビッチ選手との対戦について質問され「もう決勝だからビビっている暇はない」と腹を括って挑んだ決勝戦でした。

テニス界のレジェンド、ジョコビッチ選手に第1セットを1−6で奪われ厳しいスタートを切ったアルカラス選手。しかしそこで挫けることはなく第2、3セットを奪い返します。その後の第4セットは王者の意地を見せたジョコビッチに取られ、もつれ込んだ最終第5セット。ジョコビッチ選手が打ったショットがネットにかかりアルカラス選手の勝利が決まりました。ボールがネットにかかった瞬間、歓喜でコートに倒れ込んだアルカラス選手。 試合後のインタビューでは「ウィンブルドンで優勝することは夢ではあったけれど、正直こんなに早く叶うなんて思っても見ませんでした」と喜びと驚きが入り混じっていることを明かしました。

敗者となったジョコビッチ選手はアルカラス選手について「これまで彼のような選手と試合をしたことがない。ロジャーやラファには弱点があったがカルロス(アルカラス選手)はとても完成しているプレイヤーだ」「スペインの闘牛のような競争心や闘争心、さらにラファのような素晴らしいディフェンスを持っている」「U Sオープンでまた彼と戦いたい」と、ひとまわり以上歳の離れた新たなチャンピオンを絶賛し祝福しました。

同大会では過去11年もの間、ビッグ4と呼ばれる4人の選手(ロジャー・フェデラー、ラファエル・ナダル、ノバク・ジョコビッチ、アンディ・マリー)が代わり替わり優勝を手にしてきました。今回アルカラス選手がこの流れを打ち切ったことで「ついにビッグ4も世代交代か?!」とテニス界がざわついています。

 

スペインテニス界の大御所も祝福

これまでスペインのテニス界を引っ張ってきたのは、先ほどのジョコビッチ選手のインタビューでも名前が上がったラファことラファエル・ナダル選手。グランドスラムで22回もの優勝経験があり、日本にもファンが多いテニス界のビッグ4の一人です。アルカラス選手は過去のインタビューでこのナダルを尊敬するテニスプレイヤーの一人として名前をあげていました。そんなスペインテニス界の大先輩ナダル選手はこの勝利を祝してアルカラス選手にこんなメッセージを送っています。「カルロス、おめでとう。君は私たちに最高の喜びを与えてくれたよ。スペインテニス界のパイオニアである故マノロ・サンタナも喜んでいるだろう。この瞬間を楽しんで!チャンピオン!」

ビッグ4からも認められた期待の若手カルロス・アルカラス選手。もともとテニス人気の高いスペインですが、これをきっかけに国内のテニスの注目度がさらに高まることは間違い無いでしょう。私もこれからのアルカラス選手の活躍を、彼の母国スペインから応援していきたいと思います。

 

Profile

著者プロフィール
松尾彩香

2015年スペイン巡礼(カミノデサンティアゴ)フランス人の道を完歩。スペイン語習得のために渡ったコロンビアでコーヒー農家になるもスペイン移住の夢が捨てられず、現在はコロンビアのコーヒー事業を継続しながらマドリードのベッドタウンでひっそりとスペインライフを満喫中。

Twitter: @maon_maon_maon

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