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日本人コーヒー生産者が語るコロンビア

松尾彩香|コロンビア

コーヒー大収穫期の幕開け

筆者の農園の様子(2020/09/02撮影)

コロンビアと聞いて何を思い浮かべますか?

きっと多くの人が「コーヒー」と答えると思います。

コロンビアはブラジル、ベトナムに次ぐコーヒー輸出国。

国内では54万世帯以上がコーヒー栽培に携わっているとされ、コーヒーはコロンビア人にとって国のシンボルであり、文化そのものなのです。

 

私はコロンビアのアンティオキア県という県の南西部にあるフレドニアという村でコーヒー農園を営んでいます。

コーヒー栽培でとても有名な自治体で、6933世帯のコーヒー生産者と9081ヘクタールのコーヒー栽培面積を誇っています。

コロンビアのコーヒー栽培地域は大きく3つ(南部、中部、北部)に分けられ、私が住んでいるアンティオキア県は中部に位置し、収穫期が年に2回(4月〜5月、9月〜11月)あるのが特徴。

特にこれから始まるCosesha principal(大収穫期)とよばれる収穫期は、年間のコーヒー収穫量の大半を占める収穫が見込めるため、国を挙げて準備に取りかかっています。

 

コーヒーの木とはどんなものか

多くの日本人の方はコーヒーと聞くと、下の写真の様なコーヒーを思い浮かべるとます。

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筆者撮影

でもこれはコーヒーの実を摘み、種と皮に分けたあと、種を洗い、天日干しにして、薄皮を剥いて焙煎した状態のコーヒー。

皆さんに馴染みのあるコーヒーは、生産国でたくさんの工程を得て一杯のカップになるのです。

では、それらの工程をくぐる前のコーヒーとはどんなものなのでしょう?

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筆者撮影

これはコーヒーの木の写真です。この様に、一本の木から生えた枝にたくさんの実がつきます。

乾期になると花を咲かせ、花が散ると緑色の実がつき、7ヶ月かけて大きく膨らみ赤く熟していきます。

この赤い実はサクランボに似ていることからコーヒーチェリーと呼ばれ、この実こそが飲料としてのコーヒーになります。

 

コロンビアでの収穫作業

コロンビアのコーヒーの収穫はすべて手作業で行われます。

理由としては、コロンビアではコーヒーは山の急斜面で栽培されており機械の搬入が困難な点。

またコーヒーの実は一斉には熟さず上の写真のように成長にバラツキがあります。

美味しいコーヒーにするには真っ赤に根元まで熟した実のみを収穫する必要がある為すべて手作業なのです。

何千本何万本ものコーヒーの木から熟した実だけを一つ一つ手で摘んでいく作業には人手が必要。

例えば農園をAとBの2グループに分けたとして、Aグループの赤い実を摘み終わりBグループを収穫し始めた頃に、Aグループの緑色だった実が赤く熟しはじめてしまい、収穫が追いつかなくなってしまうのです。

それを避ける為に規模の大きい農園では、収穫期になると数十人の期間労働者を集め、住み込みで収穫作業を手伝ってもらいます。

収穫期は国や地域によってバラバラなので、地元の労働者だけでなく県外や国外から毎年たくさんの労働者が集まり、いつも穏やかな村もこの時期は人で溢れてとっても賑やか。

ただ今年の収穫期はコロナウイルスの影響で今までと同様にはいかないようです。

コーヒーはコロンビアにとって経済をまわす為の重要な作物。

生産者だけでなく、政府、警察、軍隊、市長、様々な人々を巻き込んでの前代未聞の収穫が行われています。

彼らの努力の甲斐あって、たくさんの労働者が各地から集まり共同生活を営む場であっても、農園内での集団感染は報告されていません。

具体的にどのような対策をとっているかは、また別の記事でまとめてお伝えしたいと思います。

 

Profile

著者プロフィール
松尾彩香

コーヒー農家を営む元OL。コーヒーを栽培する一方で、コーヒー農家の貧困や後継者不足問題、コロンビアでの生活についてSNSを通じて発信。朝の一杯のコーヒーに潜む裏話から、日本ではあまり報じられないコロンビアの情勢まで幅広くお伝えします。

ブログ: http://campesinita.com

Twitter: @maon_maon_maon

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