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ラッシャー貴子|イギリス

7歳の若き環境活動家、アニーシュワ・クンチャラくん

今回、「アニーシュワくんが7歳の子どもらしいのは、幼い話し方と、自然の話を始めたら止まらなくなってしまうことぐらい」と書こうとして、手が止まった。好きなことの話が止まらなくなるのは大人も同じだ。そういう人たちが大好きだ。写真iStock-Davide Zanin

『ブリテンズ・ゴット・タレント』というテレビ番組がある。2007年に始まった公開オーディションのリアリティー番組で、一般の参加者が歌やダンスなど自慢の特技を披露して勝ち抜くものだ。世界的に人気で、同様の番組が世界中にあるので、ご存じの方も多いと思うけれど、日本の方には、スーザン・ボイルさんが出場した番組というとわかりやすいかもしれない。あまりイケてない風貌からは想像できない美声を披露して世界を驚かせた女性で、2009年には日本の紅白歌合戦にも出場している。

 この人気番組の新しいシーズンが今年も4月に始まり、先日、7歳の男の子が出場した。リュック姿で自作の詩を朗読したこの男の子が、今回ご紹介する若き環境活動家アニーシュワ・クンチャラくんだ。イングランド中部のチェシャーに住むアニーシュワくんは、動物、植物、海、山など自然のすべてが大好きで、そのために環境保護の意識を高めなければと考えている。

 まずは、この番組での彼のパフォーマンスをどうぞ。

『ブリテンズ・ゴット・タレント』のYouTube公式アカウントの投稿より、アニーシュワくんの出演の様子。アニーシュワくんの出演は、審査員のひとり、人気コメディー役者で児童書作家のデイヴィッド・ウィリアムズの推薦で決まったようだ。環境保護の意識を高めたい彼としては、人気テレビ番組への出演はよいだっただろうけれど、人気番組に出られるのも嬉しかったようで、そのギャップがまたかわいらしい。

「地球ほどすばらしい惑星はない」と繰り返すこの詩は、アニーシュワくんが6歳の時に書いたものだ。とはいえ使っている言葉は大人とそう変わらない。朗読の背景には、友だちと思われる子どもたちが動物や木の姿で現れるのもほほえましく、木が伐採され、海が汚染されてウサギがしくしく泣く場面では、客席からも「かわいそうに」という響きの声が上がった。もうそんなこと(自然破壊)はやめよう、こんなにすばらしい自然があるんだから、と詩は続き、動物の名前と生態を挙げていき、最後はまた「地球ほどすばらしい惑星はない」。

 アニーシュワくんが自然に興味を持ったのは4歳の頃で、環境保護に興味を持ったのも同じ頃だった。口までプラスティックが詰まって死にかけているクジラの写真を見て、なんとかしなくてはいけないと思ったそうだ。2020年5歳の時、コロナ禍でのロックダウンを機会に、生き物や自然を紹介する動画をYouTubeで投稿し始めてSNSやマスコミで話題になった。これまでに総理大臣や権威ある団体から「若き環境活動家」と認められる賞をいくつも受けている。

 動画を見ていると、とにかく彼の「自然愛」が熱い! 7歳にして立派なオタクだ。大きな目をさらに見開いて、身ぶり手ぶりを交えて熱心に語る姿は子どもらしいけれど、複雑な情報をよく理解して説明する様子には感嘆する。少し舌足らずで幼く感じられる話し方と、大人顔負けの話の内容とのギャップもほほえましくて、つい話に引き込まれる。話をしている彼の姿をぜひ見てほしい。リンクしている動画は英語のみだけれど、その熱心な姿は言葉を超えて伝わるはずだ。

アニーシュワくんのYouTubeアカウントの投稿より、アニーシュワくんがキノコ類について語る動画。お父さんが協力しているらしい一連の動画は、植物が成長する様子を早送りで撮影した動画や別の画像も挿入されていて、短いながら本格的な番組になっている。

Profile

著者プロフィール
ラッシャー貴子

ロンドン在住15年目の英語翻訳者、英国旅行ライター。共訳書『ウェブスター辞書あるいは英語をめぐる冒険』、訳書『Why on Earth アイスランド縦断記』、翻訳協力『アメリカの大学生が学んでいる伝え方の教科書』、『英語はもっとイディオムで話そう』など。違う文化や人の暮らしに興味あり。世界中から人が集まるコスモポリタンなロンドンの風景や出会った人たち、英国らしさ、日本人として考えることなどを綴ります。

ブログ:ロンドン 2人暮らし

Twitter:@lonlonsmile

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