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イタリアの緑のこころ

石井直子|イタリア

イタリア 旅先での感染対策と危惧、各州の感染状況

マテーラの洞窟住居サッシ群 2020/9/16 photo: Naoko Ishii

南イタリアの観光地における感染対策と人々の行動

 先週、南イタリアを旅行して、マテーラやアルベロベッロなどを訪ねました。9月半ばを過ぎたと言うのに、イタリア国内から、そして外国からの観光客が多いのに驚きました。博物館や古城では、入場券をあらかじめオンライン購入した人のみが入れるようにするなどして、一度に入場する訪問者の数を制限し、入り口での手の消毒や屋内でのマスク着用を徹底していました。また、外で行われるガイドつき徒歩ツアーでも、ガイドの説明をイヤホンで聴けるようにして、旅行客が互いに距離を確保できるように図り、ツアー中は全員がマスクを着用するようにと案内がありました。

 レストランやバール、商店などでもまた、感染を防ぐための対策が取られていて、店員もきちんとマスクを着用している場合がほとんどでしたが、残念ながら、そうでない場合もまれにありました。宿のビュッフェ形式の朝食でも、宿の係員が客が頼んだものを取って渡すなどして、感染を防ぐように配慮していました。最初に泊まったホテルでは、宿泊客が自由に食べ物を取りに行けるようになっていたものの、幸い、大半の人がマスクを着用していて、最初はマスクなしだった一人も、皆に倣って次からはきちんとマスクをつけて、食べ物を取りに行っていました。

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トゥルッリの町、アルベロベッロ 2020/9/17 photo: Naoko Ishii

 残念だったのは、そして心配だったのは、マテーラでも、プーリア州の海辺の町、トラーニでも、夜の町を散歩する人がとても多かったのですが、大勢の若者たちがマスクをつけずに互いにほぼ密着するように群がり、そういう状態で歩道や中心街の通りを歩いていたことです。群れになって歩く集団とすれ違うと、どうしても互いの距離が近くなりすぎるので、わたしたちをはじめ、大人はそういうときや混雑する場所では、マスクを着用している場合が多かったのですが、若者たちは、それはかっこうが悪いとでも言わんばかりに、つけていない場合の方が多いように見えました。イタリアでは現在、午後6時以降午前6時までは、屋外であっても、広場や通り、海辺など、互いに安全な距離を確保できない場所ではマスクを着用することが法令で義務づけられ、罰金の対象となっているというのにです。

 欧州の隣国、フランスやドイツに比べれば少ないものの、イタリアでも感染者数が増加してきています。昨日は、ニュースチャンネルの新型コロナウイルス感染症の特集番組で、感染者が増えていて気をつけなければいけない状況であるのに、着用すべき場所でマスクをつけない人や、大勢で群がっている人を見かけることがあまりにも多いと、ニュースキャスターや医師が、危惧していました。最近のニュースでは、9月に始まる学校・大学の授業での感染対策が問題となっているのですが、授業中に安心して学べる環境を作ることはもちろん、これ以上の感染拡大を防ぎ、命や日々の暮らしを守っていくためには、一人ひとりが、余暇活動の際にも、マスク着用や互いの距離を取るよう努めることが大切だということを、さらに訴えていく必要があると感じています。

イタリア各州の感染状況・動向

 わたしが、新型コロナウイルス感染症の感染状況や感染対策の情報として、よく参考にするのは、政府や国家市民保護局の発表するデータをもとに、必要な感染情報を的確に教えてくれるGIMBE財団会長で医師でもあるニーノ・カルタベッロッタのツイートです。

 上記ツイートのグラフでは、横軸は、住民10万人あたりの現在の感染者数、縦軸は916日から22日までの1週間の新規感染者数の前週比の増加率を示し、その両者のイタリア全国における平均値を、縦軸と横軸が交わる点として、20州を配置しています。また、各州の右に記された数字と青い丸の大きさは、916日から22日の1週間の住民10万人あたりの実施検査数を示しています。イタリアでは感染拡大が始まった当初から、週末には検査数が減少するために新規感染者数も減少する傾向がある上、検査が行われてから結果が分かり、その報告が届くまでの日数にもばらつきがあり、日々の新規感染者数の増減を見たのでは感染の動向がつかみにくいという状況があります。また、イタリアのニュースを見ると、世界についてもイタリア国内についても、感染者数が際立って多い国や州について報道する傾向があるのですが、国にしても州にしても、絶対数と共に、人口に対する感染者数が分からないと、感染状況が的確に把握できません。にも関わらず、国家市民保護局や多くのテレビニュースや新聞が、日ごとの新規感染者数や前日に対しての増加、感染者の絶対数ばかりを報ずるのに対して、GIMBE財団は一貫して、州ごとの新規感染者数や住民10万人あたりの感染者数を発信してくれています。

 

Profile

著者プロフィール
石井直子

イタリア、ペルージャ在住の日本語教師・通訳。山や湖など自然に親しみ、歩くのが好きです。高校国語教師の職を辞し、イタリアに語学留学。イタリアの大学と大学院で、外国語としてのイタリア語教育法を専攻し卒業。現在は日本語を教えるほか、商談や観光などの通訳、イタリア語の授業、記事の執筆などの仕事もしています。

ブログ:イタリア写真草子 Fotoblog da Perugia

Twitter@naoko_perugia

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